2016/10/22 大森靖子@TOKYO BLACK HOLE TOUR OKAYAMA● CRAZYMAMA KINGDOM

大森靖子さんの全国ツアー「TOKYO BLACK HOLE TOUR」6日目の岡山公演と、その翌日に行われた7日目の福岡公演を見てきた。

岡山公演と福岡公演はバンド編成での公演だったが、8月に大森さんのLINE BLOGで新⚫️z(しんぶらっくほーるず)のメンバーが発表された時にアナウンスされていたとおり、この二日間はキーボードのカメダタクさんが不在だった。個人的には、それによって大森さんと新⚫️zが両公演の内容をどう変えてくるかが楽しみの一つだった。 

岡山公演の日は、昼過ぎの新幹線に乗って16時頃に岡山駅へ到着した。駅前のホテルにチェックインして荷物を置いてから、会場であるCRAZYMAMA KINGDOMへ歩いて向かった。会場が入っているビルに着くと、まるおさん、もりおさん、ろぼさん、みちさんと会った。ろぼさんはこの日が誕生日だったので、ライブが終わった後にでも何かお祝いをしたかったのだが、結局出来ず終いだった。警備員から入場の待機はビルの裏手にある公園でするようにとの指示があったので行くと、おおたけおさん、ないろんさん、かなりさんと遭遇した。全員整理番号が近かったので、入場列に並びながら色々と話をした。これまでライブやフェスには基本的に一人で行っていたので、大森さん現場ではこうして地方に遠征した時でも気軽に話せる知り合いがいてとても貴重だしありがたいと思う。

f:id:nagai0128:20161026201933j:plain

f:id:nagai0128:20161026202004j:plain

f:id:nagai0128:20161026201855j:plain

この日のチケットの整理番号は30番台で、会場がやや大きかったのと開場時間に間に合わなかった人が多かったのか、余裕で2列目に行くことができた。CRAZYMAMA KINGDOMはキャパが650〜700人とまずまずの大きさだったが、天井がそこまで高くなく、ステージも低くてフロアとの距離が近かったので、2列目からだとステージがとても近くに感じ、小さなライブハウスにいるような感覚だった。隣合ったおおたけおさんとツアーの振り返りをしたりマニアックな津山観光の話を聞いたりしながら開演を待ち、18時になってライブがスタートした。

f:id:nagai0128:20161026202034j:plain

これ以降はセットリストを初めとしてツアーのネタバレになる内容が含まれている可能性があるため、気になる方は読まないことをおすすめする。

この日のセットリストは以下のとおり。

PINK

ミッドナイト清純異性交遊

生kill the time 4 you、、♡

イミテーションガール

私は面白い絶対面白いたぶん

非国民的ヒーロー

ピンクメトセラ

絶対彼女

劇的JOY!ビフォーアフター

愛してる.com

子供じゃないもん17

オリオン座

給食当番制反対

Over The Party

魔法が使えないなら

呪いは水色

デートはやめよう

少女漫画少年漫画

さっちゃんのセクシーカレー

あまい

TOKYO BLACK HOLE

音楽を捨てよ、そして音楽へ

 

アンコール

少女3号

マジックミラー

 

この日の大森さんは一部編み込みをしたツインテールで、観客から「かわいい!」と声が上がっていた。これまでのバンド編成のライブでは、スタートは常に“ミッドナイト清純異性交遊”だったが、この日は“PINK”に変えてきた。2曲目が“ミッドナイト清純異性交遊”で、個人的な体感としては観客の歓声やオイオイコールがこれまでのツアーの中で一番大きく、大森さんもそれに触発されたのかケチャパートではフロアの方に身を乗り出して歌っていた。それでまた観客も前の方に押し寄せたりして、序盤からすごい熱気の盛り上がりだった。そのままの盛り上がりで次の“生kill the time 4 you、、♡”を歌い、歌い終わった後に大森さんがハイテンションで「心を揺らしていこう心を!あ、不謹慎(笑)」(※前日に鳥取で最大震度6弱地震があった)と言ったそばから、再度「心を揺らしてこうぜぇえ!!」と叫んで会場を煽り、観客も大きな歓声でそれに応えた。その後の“イミテーションガール”“私は面白い絶対面白い多分”“非国民ヒーロー”もこれまでにない盛り上がりを見せていた。 

その後のMCで大森さんが「今日いやなことあった人?」と質問し、観客の何人かの答えを聞いてから、ファッションのコンテストに落選したという女性を“絶対彼女”のソロパートに指名した。ソロパートは予定どおりその女性が歌ったのだが、その後のおっさんパートの時に女性の近くにいた男性がマイクを奪って(?)歌い始め、大森さん達も観客もビックリするという場面があった。この日のライブでは他にも曲中に独自の合いの手を入れている人や奇声(?)を発している人などもいて、岡山の人はCRAZYだ…と思った(褒めている)。 

“絶対彼女”の後のMCでは、大森さんは愛媛県出身なので、岡山はいつも新幹線の乗換で30分位滞在していたところだったが、ライブでは弾語りで一回来ただけで、バンド編成で来たのは初めてだと言っていた。観客の熱気のせいか会場が白く曇っていることに気が付いて、皆が見えないけど顔が崩れているからちょうどいいか、とか、まだ8曲だからあと…600曲?といった感じで、この日の大森さんは冗談が多めで、それに観客もいちいち反応して盛り上がっていた。バンドメンバーもテンションが上がっていたのか、ピエール中野さんがスネアドラムをドンドンドンドンと鳴らして煽ると、大森さんが「そのバンドがよくやるやつやめてよ(笑)」とツッコミを入れ、すると畠山さん達も乗っかってギターを掻き鳴らしたりして、大森さんが「皆が私をいじめる…私のライブなのに…」と拗ねていた。その後に中野さんが大森さんに「馴れてないだろこういうの、俺もやったことないけど(笑)」と言ったりしていて、バンドっぽい和気あいあいとしたMCが繰り広げられていた。

その後に大森さんが、私は皆さんの生活が好きで、それと対峙したくてメジャーに行って、ここまで歌いに来ているので、何でもTwitterのDMで送ってくださいという話をしていた。大森さんは今回のツアーのMCで、大部分は毎回内容を変えて話しているが、いくつか決まって話していることがあり、このDMを送ってほしいという話はその一つで、大森さんはこのツアーにおいて普段会えない全国の人達にそれらのメッセージを直接伝えることを一つの目的にしているのだと思っている。ちなみに、アンコールが終わった一番最後にも大森さんは生声で叫んで観客に向かってメッセージを送っているのだが、それは実際に会場に足を運んでライブを見た人が受け取るべき言葉だと思っているので、あえてこのブログには書かないようにしている。

また、ステージのセット(今年の八丈島の“大森靖子の夏休み”で増田ぴろよさんが製作した巨大な円形のパッチワーク)がパンツとブラジャーでできているような生活感のある私は、キラキラしたジャ〇ーズやA〇Bのようなアイドルみたいに日々のことを忘れて楽しむというよりは、死線ギリギリにいる人をちょっとだけ遠ざけられたらいいと思っている、そのちょっとの対価が5,000円(この日のライブのチケット代)で、その5,000円分頑張ろうと思うので、皆も生きる力を持って帰ってほしい、という話をして長めのMCを終え、“劇的JOY!ビフォーアフター”へ。 

“劇的JOY!ビフォーアフター”の次の“愛してる.com”では、大森さんが下手側の最前列にいたお客さんが持っていたウサギのパペットを借りて、それを手にはめて歌うという一幕があった。途中からナナちゃんも連れて来て、右手にウサギ、左手にナナちゃんを持って、お互いを戯れるように遊ばせたり、相撲の張り手みたいに交互に前に出したりしながら歌っていて、大森さん自身がとても楽しそうだったのが印象的だった。

f:id:nagai0128:20161026202133j:plain

「うさぎのほうがナナよりにんきだった…」と落ち込むナナちゃん(勝手なイメージ)

 “オリオン座”では、大森さんが「合唱の時間で~す、男子ちゃんと歌ってくださ~い」と言って、観客が入場時に配られた“オリオン座”の歌詞のプリントを取り出す。この時にプリントが一斉にガサガサする感じも、学校の教室の空気を思い出させて不思議な気分になる。この日はカメダさんが不在でキーボードがなかったため、伴奏は大森さんのギターだった。ちょうどこの日の前日にYouTubeでライブ映像が公開された仙台公演では、最後の方に大森さんがフロアの方へマイクを向けたものの、歌った方がいいのか歌わない方がいいのかあやふやな感じのまま終わってしまっていたが、この岡山公演では観客が始めから終わりまでしっかりと歌っていた。歌の後半に差し掛かると、2列目から見る限りでも最前列や左右に涙を拭っている人が何人もいて、会場全体ではかなりの数の人が泣いていたのかもしれない。それを見て、盛り上がる時は盛り上がり、泣く時は泣く岡山の人達はアツいな…と思った。

“少女漫画少年漫画”の後のMCでは、皆が学校や職場、家庭で大森靖子をおすすめして人格否定されているのを見ていつも申し訳なく思っていること、私は「ジョーカー」かもしれないが「とても強い」と信じて一人でやってきたこと、3年位はお客さんが対バン相手だけだったこともあったが、自分は才能があると信じていた、自分は才能があると思い込む才能があったこと、まずは一人で始めてみる、一人は武器だということを話して、一人で弾語りを始めた時のライバルの歌ということで“さっちゃんのセクシーカレー”を歌った。

アンコールでは、大森さんはTOKYO PINK HOLE Tを着て登場した(Tシャツが皺くちゃだったのでヘコんでいた)。そして唐突に大森さんの1歳になった息子の㌧さんが一番笑うという、岩崎宏美のモノマネをするコロッケのモノマネを解禁すると言って、全力の顔モノマネを披露した。その顔はもはや描写不可能の面白さだったが、観客から爆笑と拍手が巻き起こっていた。大森さんが最後にこれだけ体を張ったのは、この日のライブがそれだけ盛り上がったという何よりの証だと思った。そしてこのモノマネは顔の筋肉を使うのでほうれい線にいいらしく、女子はやった方がいいと言っていて、そうやって努力をしてずっと少女の気持ちを持っていようという“少女3号”と“マジックミラー”を歌ってこの日のライブは終了。

ライブ終了後、まるおさん、ないろんさん、かなりさん、岡山在住のりっとぅんさんと反省会に行った(ないろんさんはその日のうちに福岡に移動する予定だったため、ほとんど話す時間が無かった)。お店の閉店時間まで色々な話をしたが、特にまるおさんから聞いた昨年の洗脳ツアーでの大森さんについての話が強く印象に残った。