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2016/10/14 大森靖子@TOKYO BLACK HOLE TOUR NAGOYA● CLUB QUATTRO

大森靖子さんの全国ツアー「TOKYO BLACK HOLE TOUR」4日目の名古屋公演を見てきた。

これまでの秋田、長崎、大分は全て弾語り公演で、4日目の名古屋が今回のツアーで初のバンド編成でのライブとなる。大森さんは8月のブログで今回の全国ツアーを機に新たなバンドを結成することを発表しており、そのバンドの名称とメンバー構成は以下のとおり(大森さんのLINE BLOGより転載)。

 

TOKYO BLACK HOLEツアーバンド

新⚫️z(しんぶらっくほーるず)

ギター あーちゃん(きのこ帝国)、畠山KJ(H Mountains)

ベース えらめぐみ(股下89)

キーボード カメダタク(オワリカラ)※福岡、岡山は不在です

ハイパー サクライケンタ

ドラム ピエール中野

 

夏フェスまでのバンドと同じメンバーはギターの畠山さんとドラムのピエール中野さんのみ。また、以前のバンドメンバーは全員男性だったが、今回はきのこ帝国のギターのあーちゃんさんと股下89などのベースのえらめぐみさんという女性2人が新たに加わった。また、オワリカラのキーボードのカメダタクさんは大森靖子&THEピンクトカレフ以来のカムバック。そしてMaison book girlなどのプロデュースを手掛け、ずんね from JC-WCの“14才のおしえて”や、“SHINPIN”“ピンクメトセラ”など大森さんとのコワークも多いサクライケンタさんが謎の“ハイパー”担当として加入した。

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このバンドメンバーを発表した時のブログに“シンゴジラ”というワードが出てきていたのだが、この日見た新⚫️zのライブはまさに“シンゴジラ”だった。大森さんがゴジラのように暴れ回っているという意味ではなく(曲によってはそんな感じの時もあるが)、ライブのいたるところにネタ(演出)が用意されていて、見終わった後は見た者同士で話して盛り上がりたくなるし、まだライブを見ていない人にはぜひそのネタを知らないまま見てほしい、というもので、いっそのことライブの内容をツイート禁止にしたらそれもまた話題性があって面白いのではと思ったりした。したがって、ここではなるべくネタバレにならないようにMCの内容などのみを書こうと思うので、肝心のライブの内容についてはぜひツアーに足を運んで直接その目で見て確かめてほしいと思う。

名古屋公演の日は平日(金曜)だったが、会社はこのライブのために大分前から有休を取っていた。ただ、この日は早く行って観光する気分でもなかったので、名古屋へは16時半頃に到着する新幹線で向かった。名古屋駅からこの日の会場であるCLUB QUATTROまでは地下鉄で行った方が早いのだが、18時の開場まではまだ時間もあったので名古屋の街を散歩がてら歩いて向かうことにした。

CLUB QUATTROが入っている名古屋パルコが見えてきたところで、この風景前にも見たことあるな…と思ったら、2014年1月18日に原爆BiS階段(the原爆オナニーズ×非常階段×BiS)のライブが同じ会場であったのを思い出した。この時は確か土曜日だったが会社の出勤日で、仕事終わりに新幹線に飛び乗って見に行ったのを覚えている。

www.youtube.com

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18時前に名古屋パルコ東館の8階にあるCLUB QUATTROに着くと、既に整理番号順の列が出来ており、知り合いの大森さんファン何人かと会った。これまでの秋田、長崎、大分と比べると、平日ということもあり遠征組はずっと少ない印象だった。間も無くして入場が開始。

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この日は30番台とまずまずの良番だったので、入場後素早く荷物をロッカーにしまってフロアへ。3列目の位置でかなりさん、えっちゃんさんとこれまでのツアーでの出来事やこの日のステージのセッティングなどについてあれこれ話しながら開演を待った。

この日のセットリストは以下のとおり(これすらもネタバレといえるので、気になる方はこれ以降読まないことをおすすめする)。

ミッドナイト清純異性交遊

生kill the time 4 you、、♡

イミテーションガール

私は面白い絶対面白いたぶん

超新世代カステラスタンダードMAGICマジKISS

ピンクメトセラ

絶対彼女

劇的JOY!ビフォーアフター

愛してる.com

子供じゃないもん17

さっちゃんのセクシーカレー

オリオン座

給食当番制反対

少女漫画少年漫画

君と映画

キラキラ

KITTY’S BLUES

あまい

TOKYO BLACK HOLE

音楽を捨てよ、そして音楽へ

 

アンコール

少女3号

マジックミラー

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ライブは“ミッドナイト清純異性交遊”からスタートし、“超新世代カステラスタンダードMAGICマジKISS”までほぼぶっ通しでやってからMCへ。大森さんが名古屋は洗脳ツアー以来1年半ぶりで、当時はお腹に子供がいたが、今日はいくらでも動けるので皆と全力で楽しみたい、と話したところで、足元に付けていたリボンが解けていることに気付く。すると、フロアの方に近付いてリボンが解けた方の足をフロアの柵の上に乗せ、最前のお客さんにリボンを結ばせていた(知っている人だったがプライベートなことをイジられていたので名前は伏せておく)。

“ピンクメトセラ”が終わったところで、ツアー初日の秋田と同様に“絶対彼女”のソロを歌ってくれる人を募集したところ、予想外に多くの人が手を挙げた(前の方にいたのでちゃんと確認できていないが、10~20人位?)。そのため急遽じゃんけん大会を行い、最後まで勝ち残った女性が歌うことになった。女性にはオリジナルのナナちゃんピックがプレゼントされた。そして、大森さんがこの日エゴサーチをして見つけたツイートで、「お姉ちゃんと大森靖子のライブ行くんだけど何この客層…」と書かれていたらしく、自分で見ても自分が好きな女の子と若くても老けて見えるおっさんがいるのすごいもんね、最高!と言って、それを活かした曲ということで“絶対彼女”を歌い始めた。女性のソロパートでは周りのお客さんがアドリブで女性に向かってケチャをするなど、和気あいあいとした雰囲気で楽しかった。

“子供じゃないもん17”の後のMCでは、この曲はジョージ朝倉さんの「ハートを打ちのめせ!」の登場人物がモデルになっていて、同じくジョージ朝倉さんの「溺れるナイフ」が原作となった映画で自分の曲がカバーされているという話をしていた。そして次の“さっちゃんのセクシーカレー”についてもモデルになった女性の話をしていた(畠山さんからツイートNGが出たので詳しく書くのは控える)。

“少女漫画少年漫画”を歌い終わった後、これは少女漫画も少年漫画も好きで読んでいるけど、どちらにも自分がいる気がしない、入れないという曲とのことで、自分自身はジェンダー的な迷いはないが、日によって男になれたり女になれたりしたらいいのにとか、道重さんになれたら最高なのに、という話をして、毎朝目が覚めると大森靖子で残念だと思う、でもそんな私が書いた曲がこんなにたくさんの人に届いてとても嬉しい、今日は来てくれてありがとうございます、と観客にお礼を述べていた。そして、私もただの人なので、愚痴とかをDMで送ってほしい、1時間に〇通ぐらい届くのでタイムラインみたいに流れていくのだが、なるべく全部読んでいるので、と言って、皆とこういう距離感でいたいという曲、ということで“君と映画”を歌った。

本編最後の“音楽を捨てよ、そして音楽へ”で印象的だったのは、ギターを弾いているあーちゃんさんの目に光るものが見えたような気がしたことだった。この曲での大森さんはもはや神々しさすら感じるので、あーちゃんさんもそれを見てこみ上げるものがあったのかは定かでないが、そのあーちゃんさんの表情と、熱い思いをぶつけるように激しくギターを弾く姿を見てグッとくるものがあったのは確かだった。個人的に新⚫️zで目を引くのはそのあーちゃんさんで、以前のバンドでは直枝政広さん(カーネーション)や小森清貴さん(壊れかけのテープレコーダーズ、ex大森靖子&THEピンクトカレフ)が務めていた上手側のポジションでのギターを担っている。以前のバンドでは、ギターは直江さんと畠山さん、あるいは小森さんと畠山さんという組み合わせだったが、いずれも良くも悪くも二人がバラバラに弾いている印象があったのに対して、畠山さんとあーちゃんさんは何となく二人で一組というか、あーちゃんさんがよく下手側(畠山さんやえらさんがいる方)を見ながらギターを弾いているところや、長髪を振り乱しながら畠山さんと同じ様に激しくギターを弾いているところを見ると、時には畠山さんとあーちゃんさんがお互い共鳴し合って音を鳴らしているようにも感じるし、時にはお互い張り合うようにギターバトルをしているようにも感じて、注目して見ているととても面白い。ライブ中はつい大森さんに目が行きがちだが、新⚫️zのメンバーのパフォーマンスにも目を配ってみると色々と気付くことがある。

アンコールのMCでは、名古屋は11月30日にもElectric Lady Landで女王蜂との対バンがあるので、今日この曲が良かったと書いてくれたらやります、と言っていた。また、愛媛県出身なのによく愛知県出身と間違えられるので、今日から愛知県出身にします、と宣言し、今日は地元のライブとっても楽しかったです!と締めくくって観客の笑いと拍手喝采を起こしてから、“少女3号”“マジックミラー”を歌ってこの日のライブは終了。

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ライブ終了後、仕事から駆けつけて見に来ていたおおたけおさんと会い、短い時間だったが見たばかりのライブの感想を熱く語り合った。新幹線の終電まであまり時間が無かったので、他の人達とはろくに話ができないまま離脱して名古屋駅へ向かい、新幹線のホームで急いできしめんを食べた。後は新幹線に乗って東京へ帰るだけ、というところで思いもよらぬ出来事が起こり、こんなこともあるのかと思った。

今回の全国ツアーでは初のバンド編成でのライブだったが、今年の夏フェスでのバンドのライブとは全く別物だった。何より印象的だったのは、以前のエントリーでロッキンでのライブをドラクエでいう「ガンガンいこうぜ」のような感じと例えたのだが、それくらい夏フェスでの大森靖子バンドは攻撃的で戦闘モードだった。それに対して新⚫️zのライブは「とことん楽しもうぜ」(ドラクエにそんなものはないが)という感じで、とにかく大森さんやバンドメンバー自身がとても楽しそうにライブをしていた。そして、ライブの随所に散りばめられたネタも相まって、見ているこちらもとても楽しめるエンターテイメントに仕上がっていた。

もちろんバンドメンバーが変わったことによる変化も大きく、先ほどのあーちゃんさん以外にも、サクライケンタさんは確かに“ハイパー”担当という表現がピッタリのマルチぶりだったことや、女性が2人加わったことによってビジュアルの印象も変わったことなど挙げるときりがないが、色々な発見や驚きがあって初見のバンドのライブを見ているような新鮮な感覚だった。ぜひ一人でも多くの人にこの大森靖子バンドの最新型である新⚫️zのライブを目撃し、体験してほしいと思う。