2016/10/01 大森靖子@TOKYO BLACK HOLE TOUR AKITA● 湧太郎 國之譽ホール

大森靖子さんの全国ツアー初日の秋田公演を見て来たので、そのことについて書こうと思う。

今回の大森さんのツアーは、今年3月に発売したアルバムのタイトルを冠した「TOKYO BLACK HOLE TOUR」と題して、10月1日の秋田から11月18日の東京ファイナルまで全国12ヶ所を回るものとなっている。全国ツアーを行うのは、昨年3,4月に行われた洗脳ツアー(❤爆裂!ナナちゃんとイく ラブラブ洗脳ツアー❤)以来1年半ぶりとなる。

12ヶ所の会場はキャパ100人未満のライブハウスからZEPP TOKYOまでと幅広く、また秋田、長崎、大分、広島は弾語り、残りはバンド編成でのライブとなっている。

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ツアー初日である秋田公演は、地元にあるゴマシオキッチンという喫茶店を営んでいる進藤さんという方がコーディネートをしている。進藤さんは、この秋田公演のつい一週間ほど前の9月22日に同じく秋田で開催されたハイコーフェスの実行委員長を務めていた方でもある。このフェスにも大森さんは出演しており、間を置かずに再び秋田でライブを行うことになる。大森さんと進藤さんの関係性については、昨年の洗脳ツアーの秋田公演のライブレポートを読むとよく分かる。

大森靖子、秋田の小さな喫茶店でツアー折り返し 複雑な胸中を明かす——OTOTOYライヴ・レポート

ototoy.jp

また、進藤さんは今回の秋田公演に対する思いなどを自身のブログに綴っており、その文章からは純粋で熱い人柄が伝わってくる。

gomashioシェフのノートbook「大森靖子2016年全国ツアー「TOKYO BLACK HOLE TOUR」 AKITA● 湧太郎 國之譽ホール公演について」

gomashio3.exblog.jp

僕は約一週間前のハイコーフェスに行った際に少しだけ進藤さんとお話させていただいたが、ブログの文章から受ける印象通りのまっすぐで優しい方だった。その時の大森さんのライブでは進藤さんが前説と後説をやっていて、時折感極まりながら話す姿は大森さんに対する並々ならぬ愛を感じるものだった。今回の秋田公演はそんな進藤さんに再びお目にかかれるのも楽しみだった。

当日は始発の秋田新幹線に乗って秋田へ向かい、ライブ会場の最寄駅である大曲(おおまがり)の一つ手前の角館(かくのだて)という駅で途中下車し、お昼過ぎまでぶらぶらと観光をした。角館は“みちのくの小京都”と言われていて、歴史を感じる武家屋敷の町並みを見ながら歩くのは気持ち良かった。小京都というだけあって3〜5時間あれば一通り回れてしまうので、周辺と組み合わせて観光するのに丁度いい場所だと思った。

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角館から大曲への普通電車は1日に7本しかなく、余った時間は温泉に入ったりして過ごし、大森さんのライブに間に合うギリギリの13時50分の電車で大曲へ向かった。

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大曲駅に着いた後は少し歩いた所にあるバスターミナルから、進藤さんのブログによれば「羽後交通バス 横手行き」または「羽後交通バス 横手病院行き」に乗車し、「六郷米町停留所」で降車して徒歩5分程度で会場に着くとのことだった。僕はゴマシオキッチンに立ち寄るために一つ手前の「六郷上町停留所」で降り、外観だけ一目見てから会場に歩いて向かった。いつか通常営業している時にまた訪れてみたいと思う。

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ライブ会場である「名水市場 湧太郎」には開場1時間前の15時頃に到着した。ここは清水と酒をテーマとした多目的施設で、その中にある「國之譽ホール」は明治30年に建築された旧「國之譽」酒造の蔵を改修したものとのこと。他にも町内に湧き出る清水や町の歴史、町の産業として伝わる酒造りの技などの学習ができる「水文館」、美郷町観光情報センター、資料館、ショップ、レストランなどがあり、明らかに普段ライブをやる場所ではなかった。そんな場所で行われるライブをこれから見ると思うと否が応でもワクワクした。

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中に入ってすぐのところに國之譽ホールの入り口があり、そこには進藤さん達による手作りの飾り付けがされていて、TOKYO BLACK HOLEのリリースイベント期間中に登場した顔ハメパネルのオマージュであるAKITA BLACK HOLEの顔ハメパネルも設置されていた。そのうち、おおたけおさん、肉野菜さん、初めましての犬さんなど、大森さんファンの方達と合流して雑談しながら開場を待った。

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この日の会場は椅子席で、席に予め番号が振ってあり自分のチケット番号の席に座る仕組みになっていた。特に番号順に呼び込んだり整列したりせずに入場を開始したため、開場直後は入り口がお客さんでごった返していたので、落ち着くまで待ってから入場した。入場時に“愛してる.紙copドリンク”と大森さん仕様のオリジナルパッケージのビスコをもらい、早速皆テンションが上がっていた。また、進藤さんとその奥さん(大森さんが“秋田のももち”と名付けた方で、これが本当によく似ている)が、僕がハイコーフェスに来ていたのを覚えてくれていたようで、向こうから声を掛けてきてくれたのが嬉しかった。紙コップには一個一個手書きでTOKYO BLACK HOLEの大森さんのイラストと大森さんの曲の歌詞が描かれており、写真には写っていないが大森さんのサインも入っていた。終演後、水飲み場で紙コップを持って帰るためにせっせと洗ったのだが、紙コップを大事そうに洗っている姿は知らない人から見たら不審だったと思う…。

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この日は新しいツアーグッズが販売を開始していたのと、10月26日発売のシングル“POSITIVE STRESS”の予約販売も行っており、予約購入するとこの日だけの限定くじが引けるようになっていて、物販はとても混雑していた。

限定くじの一等をなんと知り合い(一応名前は伏せておく)が当てていて、皆から羨望の眼差しを向けられていた。“★SEIKO♥”とサインが入ったシャネルのリップで、大森さんが一度使ったとか使っていないとか…。

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愛くるしさで全大森さんファンからの恨みを中和させようと試みるの図

会場内の装飾も凝っていて、皆写真を撮ったり、新しいツアーグッズの“意識高いT”に早速着替えている人もいたりして、開演前から会場内はとても高揚した雰囲気に包まれていた。会場には一段高くなった縦長の長方形のステージが中央に配置されていて、奥からその中央のステージに花道が伸びて繋がるというレイアウトになっていた。ピンク色のステージの上に大量のピンク色の風船がばら撒かれていて、風船にはキティの絵と大森さんの名前が書かれていた。この風船も紙コップ同様、終演後に皆せっせと空気を抜いて持って帰っていた。

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一枚目の画像はこの日PAを担当していた中嶋優さんのツイートから拝借しました。

椅子席はステージを360度取り囲むように配置されており、席数は恐らく150位でゆったりしていてとても見やすかった。席の配置に合わせて、手前を向いて歌う用のマイクと奥を向いて歌う用のマイクが2本置かれていて、ライブ中大森さんが交互に向きを変えながら歌うことによってどの席からも平等に大森さんの顔が見えるようにするための配慮だった。さらにはサイドにもマイクが設置されていて、大森さんがメインのマイクから離れて歌っても音が拾えるようになっていた。進藤さんのブログには「ちゃんと音響設備が揃っている訳でもありません」と書いてあったが、会場の四隅に置かれたスピーカーもいい感じで、個人的にこの日の音響はとても良かったと思った。

開演時間の17時になって間も無く大森さんが会場の奥から花道を通って登場。この日は黒のざっくりとしたロング丈のニットに、首には十字架のペンダント、裸足という出で立ちだった。セットリストは以下のとおり。

 

TOKYO BLACK HOLE

マジックミラー

PINK

絶対彼女

夏果て

さっちゃんのセクシーカレー

ハンドメイドホーム

非国民的ヒーロー

春の公園(調布にて)

呪いは水色

給食当番制反対

ミッドナイト清純異性交遊

KITTY'S BLUES

オリオン座

魔法が使えないなら

お茶碗

Over The Party

SHINPIN

少女漫画少年漫画

 

アンコール

背中のジッパー

デートはやめよう w/二宮ユーキ

愛してる.com

さようなら

 

新曲の“オリオン座”まではLINE LIVEでの配信が行われていた。アーカイブが残っており、しばらくの間見ることができるようになっている。

live.line.me

この日は最初からTOKYO BLACK HOLE、マジックミラー、PINKというバンドセットでも定番となっている曲を続けて演奏。3曲を歌い終わった後に「満足しちゃった(笑)」と言っていた。TOKYO BLACK HOLEからマジックミラーに移る時にアルバムを再現するかのように弦をギュイーンとやっていて、これって前からやっていたかな?と思った。

次の“絶対彼女”を始める前に大森さんが「(客席が)色んな方向があるからと思って色んな方向にマイクを立ててみたんだけど、マイクが2本あるから歌いたい人これ持ってもらってね。絶対彼女のソロやりたい人?」と言うと、最前のお客さんがすかさず手を挙げ、大森さんからピンクのマイクを渡される。ちなみにそのお客さんはハイコーフェスでも大森さんのライブを最前で見ていたのを覚えていて、地元の熱心な大森さんファンの方だと勝手に推測している。この日は「絶対女の子 絶対女の子 絶対女の子がいいな」のパートを女子→おっさん→最前のお客さんソロ→全員の順番で歌った。全員で歌った時に大森さんが、最前のお客さんがなぜか一オクターブ上げて歌っていたことに気付いて、お客さん全員にも一オクターブ上げて歌わせたり、反対に一オクターブ下げて歌わせたりしていて、大森さんもお客さんも楽しそうだった。この時に大森さんと観客との距離が一気に縮まって、会場全体に一体感が生まれたように感じた。

“夏果て”、“さっちゃんのセクシーカレー”、“ハンドメイドホーム”と新旧の楽曲が続き、その後のMCで「TOKYO BLACK HOLEのツアーですけど、全部のアルバムから平等にやっているので、アマゾンで大森靖子を検索して、星の数とか気にせずに買ってください」と宣伝。そして、次回のシングルの特典ポスターの話から派生して、小学生の時に住んでいた社宅に自分の絵を飾ったらボロボロになったというエピソードを披露した後、新曲の“非国民的ヒーロー”を歌った。この曲は作曲が神聖かまってちゃんのの子さん、作詞が大森さんということで、歌い終わった後に「作曲分の余力を振り絞った歌詞になっているので、CDを買って歌詞を朗読してください」と言っていた。その流れで「途中から朗読になっているみたいな曲」ということで、“春の公園(調布にて)”を歌った。この曲は最近ライブで立て続けに歌っているので、近々何らかの形で音源化されるのかもしれない。

“ミッドナイト清純異性交遊”では、歌う前に最前列の男女のお客さんの協力を得て、LINE LIVE向けにツアーグッズの宣伝を始めた。男性の方のお客さん(知り合いだがLINE LIVEの映像に顔が映っていたので名前は伏せておく)は、前回のツアーグッズの処女膜再生ステッキと今回のツアーグッズであるピンクメトセライトの両方を持っていて、大森さんが処女膜再生ステッキの方を指して「何で君が持っているの?」と分かる人には分かるイジりをしていて面白かった。グッズは大森さん自らが監修していて細かい所までこだわっているという話をして、その次に意識高いTの宣伝をしようとしたところで、男性の方のお客さんが着ている意識高いTを見て、「ちょっとピチピチだもんね。サイズこれしかなかった?いけると思って買っちゃったの?じゃあ自己責任だね」とさらにイジりを加えていた。意識高いTは着るのに若干勇気がいるが、着てくれたら私が喜ぶ度合いが高いという話をして、ツアーの宣伝もしてから“ミッドナイト清純異性交遊”を歌った。会場の照明が少し落ちて暗くなったこともあり、四方からピンクのライトが大森さんにケチャする光景がとてもきれいだった。

その次のKITTY’S BLUESが終わった後に、大森さんが進藤さんの前説が無かったことに気付くが、進藤さんは大森さんが入り込んでいたからと言っていた。大森さんがそのまま今回の進藤さん達の装飾について触れ、一番気に入っているのは「大森」の文字が印刷された紙が会場の壁に大量に貼られている所で、ストーカーが部屋に好きな人の写真を貼るところを文字で貼ってあるのが私らしいと言っていた。そして、「大森」の字はブロック体だけど明朝体の曲を作ってきた、と言って新曲の“オリオン座”を演奏した。この曲はハイコーフェスの翌日に新宿LOFTで行われた生ハムと焼うどんとの2マンライブで初披露されたもので、この日が2回目の演奏だったが、ライブの後しばらく頭の中でメロディーがループし続けていたくらい深く印象に残る曲である。

ここでLINE LIVEの配信が終了し、終わった途端に大森さんが「やったー!」と叫んで“魔法が使えないなら”を歌い始める。そのギアの上げっぷりがすごく、これから私たちだけの楽しい時間が始まるぞ!と言わんばかりに溜めていたエネルギーを一気に爆発させるような歌とギターの演奏だった。あの“ギアが上がった”大森さんを見たお客さんの多くが、今日わざわざ来た甲斐があったと思ったに違いない。

続いて二宮さんの安定のリクエストで“お茶碗”。大森さんが「TOKYO BLACK HOLE TOURだよ⤴(笑)」とツッコミを入れていた。その後のMCで、“お茶碗”は長い間歌っている曲で、去年の3月4月の洗脳ツアーでも歌っていて、それから1年半ぶりのツアーが今日始まったこと、洗脳ツアーではアイドルの働きぶりを見て2回公演にしたら妊娠をしたため大変だったこと、今回は自分一人だけの体で気持ち良く歌えて、皆に聴いてもらって、ツアーを1年半も待ってくれて本当に嬉しく思っていることなどを話していた。一通り話した後で、「これをLINE LIVE で喋ればツアー来てくれたかもしれない、しくじった…!」と言っていたけど、確かに今回のツアーにかける思いが伝わる良いMCだった。

次の“Over The Party”の前に水を飲みながら歌を歌っていて、YouTubeで子供が泣き止む動画で検索したら出てくると言っていたが、多分この歌。

youtu.be

本編最後は最新アルバムからの2曲だったが、“少女漫画少年漫画”はこの日のライブの中で白眉だった。ステージを動き回りながら360度全方位のお客さんに届けようとするように歌っていて、お客さんのすぐ近くでうずくまるようにして演奏する場面もあった。最後は花道の一番奥に立って会場全体を見渡すようにして歌い終え、本編が終了した。

大森さんは「アンコールは進藤さんの前説で出てくるので、進藤!進藤!コールをお願いします!」と言って一旦捌ける。お客さんが手拍子をしながら進藤コールをすると、進藤さんがステージに上がって「ウィー!」と片手を上げて叫んだり、ステージ上で転がったりして一笑い起こす。「バスの時間もあるので…」ということですぐに「俺に浴びせるように靖子コールをお願いします!」と言って靖子コールをして、大森さんが再び登場。進藤さんが大森さんに「すべりましたね」と言うと、大森さんが「私のMCよりまとまっていてよかったよ」と言い、進藤さんにおニューのマイピックをプレゼントした。

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そして「君もソロをしてくれたからあげるよ」と“絶対彼女”でソロを歌った最前のお客さんにもピックをプレゼントした。するとここでけんごさんが大森さんに「今日誕生日!」と呼び掛ける。大森さんが「おめでとう~勇気を振り絞って言ったんだね(笑)」と言ってリクエストを聞くと、けんごさんは“背中のジッパー”と答えた。大森さんは歌詞を覚えているか自信がないとのことで、覚えていなかったら代わりに歌うようけんごさんにマイクを渡した。何度も「詰まったら歌ってね」と前フリ(?)をしてから歌い始め、一番は難なく歌ったが、二番で案の定(?)歌詞が出てこなくて止まってしまったところでけんごさんが歌い始めると、予想外の透き通った声に大森さんが「めっちゃ良い声!(笑)」と驚いて、お客さんからもどよめきが起こった。しばらくして大森さんも再び歌い始め、そのままデュエットをして最後まで歌い終えると会場全体から大きな拍手が起こった。歌い終わった後に大森さんがけんごさんにもピックをプレゼントした。

ここで大森さんがカメラを撮影している二宮さんに向かって「君がああいう歌声だったら…。何か歌える曲ある?」と聞くと、二宮さんが自信満々に「何でも歌える」と答え、会場からのリクエストで“デートはやめよう”を歌うことになった。すると大森さんが二宮さんをステージに上げ、二人が2つのマイクを挟んで向かい合う形になり、デュエットで一曲丸々を歌った。「エロいことをしよう」のところを二宮さんにソロで何度も歌わせて、一旦曲を止めて歌詞に絡めた会話(実験室だったらツイート禁止棒が立つ内容だったので、ここでは詳述するのを控える)をしばらく繰り広げていた。終わった後に二宮さんが「足がプルプルする」と言って、大森さんが「知らんよ(笑)」と返していたが、この曲での二人の一連のやり取りを見て、やっぱりいいコンビだなと微笑ましくなった。デュエットの間も二宮さんはカメラを回していて、ステージ上で大森さんとマイクを挟んで向かい合う二宮さん視点の映像が残っているはずなので、機会があればぜひ見てみたいと思う(途中で際どい会話が交わされているので実験室くらいでしか流せなそうだけど…)。

“愛してる.com”では「愛してる.com更新」のところをお客さんに言わせていた。最後に“さようなら”を夏フェスのバンドセットの時の尖った攻撃的な感じではなく、静かに語りかけるように歌ってライブ終了。

ライブ終了後、同じ日に青森で開催されていた夏の魔物から回して来たまるおさんの車に乗せてもらい、会場から大曲駅まで送ってもらった。駅前の居酒屋で大森さんファン10人ほどで反省会をしたが、その時にテーブルの向かいに座っていたのが、まるおさん、おおたけおさん、かなりさんという個人的関西三大大森さんファンの3人だったのが胸アツだった。

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別々に頼んでいたピザがまとめて来てしまい、秋田まで来てピザパーティをやっているみたいになってしまったの図

反省会が終了し、夜行バス組の肉野菜さんと僕は他の宿泊組の人達と別れてバス乗り場へ向かうと、アンコールでの名シーンを生んだけんごさんに偶然会った。けんごさんがあそこで勇気を出して大森さんに呼び掛けたことで、その後の二宮さんとのデュエットも生まれたからよかった、といった話をした。夜行バスではちょっとしたトラブルがあったが、それも全く気にならないくらい楽しかった秋田遠征だった。

ツアー初日の大森さんは初っ端ということやLINE LIVEの配信もあって色々考えることがあったのか、いつもより歌詞を忘れたり間違えたりすることが多かった気がしたが、今日来て良かった…!と思わせる瞬間を何度も作り出していたし、あの日あの場所であのお客さんだからこそ起こり得た出来事がたくさんあって、その場に居合わせることができて幸せだったと思えるライブだった。昨年の洗脳ツアーの秋田公演のライブレポートの中で、大森さんが「会う人が全部、音楽がないと出会っていない人なんですよ。それがおもしろくて。大げさじゃなくて、音楽が会わせてくれるんだって。今日来た人がひとりでも違っていたら、全然違った音を出しているはずなんですよ。」と話していたと書いてあって、今回のライブでも同じようなことを考えていたのだろうかと思った。これから大森さんが全国各地の人達と会って、どんな音を出し、どんなドラマを生んでいくのだろうと考えると今後のツアーが俄然楽しみになった。

2016/08/07 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016

前回のフジロックに続き、大森靖子さん目当てでロックインジャパンフェスティバルに行って来たのでそのレポートを書こうと思う。

nagai0128.hatenadiary.jp

前回同様、大森靖子さん以外のこともついでに書いているので、適宜読み飛ばしてほしい。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016

ロックインジャパンフェスティバル(以下、ロッキン)は、もはや音楽ファンにとっては説明不要の豪華邦楽アーティストが多数出演する、日本最大級の野外音楽フェス。会場は茨城県ひたちなか市国営ひたち海浜公園。2013年までは3日間の開催だったが、2014年以降は2週に渡り4日間での開催となっている。今年は8月6日(土)、7日(日)、13日(土)、14日(日)での開催。ただ、主に洋楽のファンだった僕はフジロックサマソニには10年近く通っている一方で、ロッキンには一度も参加したことがなかった。今回、大森靖子さんが2日目に当たる8月7日(日)に出演するということで、初めてロッキンに参加することにした。

会場へのシャトルバスが発着している勝田駅へは、電車だと特急「ひたち」で行くのが一番早く、1時間半ほどで行くことができるが、普通列車で行くと2時間半近くかかるが運賃が半分程度で済むことが分かり、早い時間帯にはそれほど見たいアーティストがいなかったので、今回は特急を使わずに行くことにした。8時半頃に自宅を出発し、11時過ぎに勝田駅に到着。

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改札を出た所にあるコンビニはロッキン参加者を意識した品揃えになっていて、ここで必要最低限の飲食物だけ調達。ちなみにロッキンの会場はビン・カン類の持ち込みが禁止だったので注意が必要。

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お土産や地酒、納豆なども売っていて、コンビニとは思えない品揃えだった。

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シャトルバス乗り場へ向かうと当日券販売はないとの立て看板。前売券は数日前に売り切れが発表されていた。

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駅前のロータリーをぐるっと回った所にシャトルバスの乗車券売り場がある。

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大人1人往復770円の乗車券を購入し、またしばらく歩いてバス乗り場へ向かう。

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この時間は既にピークを過ぎているのか、ほぼ並ばずに乗車でき、約20分で会場である国営ひたち海浜公園に到着。自宅からの所要時間は約3時間で、フジロックと同じくらいだった。

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タイムテーブルによれば、9時前からDJが始まり、10時半や11時には各ステージの一組目のアクトが始まるので、最初から見たい場合はもう少し早く自宅を出発し、なおかつ上野からの特急で行けばよさそう。以下はこの日のタイムテーブル。

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13時25分からのZAZEN BOYSまで特に見たいアーティストがいなかったので、しばらくの間、初めてのロッキン会場をぶらぶらと歩いて回った。バスの車内でも会場内でもそうだったが、この日のトリであるBUMP OF CHICKENのTシャツやタオルなどのグッズを身に付けている人を多く見かけた。

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この日は雲がほとんどないピーカンの天気だったが、海が近いせいか常に風が吹いていて気持ち良く、夏フェスを開催するには最適なロケーションだと思った。通りがかったGRASS STAGEではゲスの極み乙女。がライブをしていて、後ろの方まで人がぎっちり入っていた。

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会場を一通り回ったところで、この日の一組目のお目当てであるZAZEN BOYSを見にSOUND OF FORESTへ。

 

ZAZEN BOYS

SOUND OF FORESTは名前のとおり森を通り抜けた先にあり、ステージ自体はそれほど大きくない。フジロックでいうとフィールドオブヘブンのような雰囲気。しばらくしてメンバーがサウンドチェックに登場。すると向井秀徳NUMBER GIRLの"ZEGEN VS UNDERCOVER"を歌い始め、一気にテンションが上がる。続いて"Honnoji"をひとしきり歌ったところで、サウンドチェック終了。

ライブ本編はHIMITSU GIRL'S TOP SECRET、泥沼、ポテトサラダ(泥沼とポテトサラダをミックスして一つの曲のようになっていた)、NUMBER GIRLのdelayed brain、WHISKEY & UNUBOREといったセットリストで、一週間前にap bank fesで見た時とはまた一味違っていてとても良いライブだった。

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大森靖子

ZAZEN BOYS終わりで大森靖子さんが出演するBUZZ STAGEへ移動。BUZZ STAGEは会場の一番奥まったところにある、フジロックでいうとレッドマーキーのようなテントステージ。レッドマーキーと比べると縦幅が短いが、テントの外からもステージが良く見えるので、実際にライブを観ることのできる人数はかなり多そうだった。

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前のアクトが終わってステージの方に行くとまだ最前が空いており、ほぼ中央の柵前に行くことができた。フジロックの時と比べるとステージとフロアの距離が近く、間近で転換の様子を見ることができた。この日ステージに最初に登場したのはナナちゃん。

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そして畠山ケンジさん(Gt)、tatsuさん(Ba)、奥野真哉さん(Key)が登場し、サウンドチェックを開始。そして大森さんが一瞬現れ、マイクに向かって「エヴィバーディィィィーー!!!」と叫んで観客を煽り、すぐに捌ける。この後に見たDJピエール中野さんがヤバイTシャツ屋さんの"あつまれ!パーティービーポー"をかけているのを聴いて、もしかするとこの曲のエヴィバーディだったのかもしれないと思ったが、真相は不明。続いてピエール中野さん(Dr)、小森清貴さん(Gt)も登場し、サウンドチェックを始める。バンドメンバーはフジロックと同じ編成。

しばらくして大森さんが再び登場し、フジロックの時にもあった写真撮影タイムが開始。ステージの端まで来て色々なポーズをとっていた。

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この後、こちらがカメラを構えているのを見つけると、ナナちゃんを前に差し出すポーズをしてくれた。

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写真撮影タイムが終わって少しした後、ギターを持った大森さんが「もう何でもいい感じですか?」とスタッフに確認し、「TOKYO BLACK HOLE」とポツリと言って"TOKYO BLACK HOLE"の演奏を開始。大森さんのスイッチが一気にライブモードに切り替わる。

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"TOKYO BLACK HOLE"が終わると、また少しの間サウンド調整をする。大森さんがギターを置き、マイクを片手に持つと再びバンドが演奏を開始。フジロックのリハーサルでも披露していたBUMP OF CHICKENの"天体観測"のカバーである。大森さんの声はもはや歌というより咆哮に近く、ステージの前まで出てきて観客を煽るように熱唱し、歌い終えると観客からは大歓声が起こった。

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これでリハーサルが終了し、メンバー全員が一旦捌ける。

そしてライブ本編がスタートし、まずは大森さんが一人で登場。手にはフジロックで掲げていた巨大な白い旗を持っていて、観客から歓声が沸き起こる。この白い旗はしばらく大森さんのライブにおいて一つのモチーフとなるのかもしれない。旗を台に置いて、大森さんのギター弾き語りからライブ開始。セットリストは以下のとおり。

 

(弾き語り)

PINK

(バンド)

マジックミラー

ピンクメトセラ

ミッドナイト清純異性交遊

絶対彼女

音楽を捨てよ、そして音楽へ

 

この日の大森さんはフジロックの時よりバーサク状態というか、終始会場全体を眼光鋭く見渡していて攻撃的な印象だった。最近大森さんは「斃す」(たおす)という表現をよく使っているが、正に観客を、フェスそのものを斃しにかかっているような迫力だった。

"ピンクメトセラ"はバンド形態のライブだと今回で恐らく4回目(前の3回はピエールフェス、hideフェス、フジロック)だと思うが、段々ライブの流れに馴染んできたように感じた。今回改めて見てとてもライブ映えする格好良い曲だと思った。曲の終盤では大森さんが猫になりきって観客に向かって威嚇するフリをしていた。

"絶対彼女"では女の子もおっさんも声がよく出ていて、大森さんがとても嬉しそうだった。観客を指差して「最高!最高!」を連呼していた。

フジロックの時は終始大森さんに目が釘付けになっていたので、今回は他のバンドメンバーにも目を配るようにしていたのだが、最後の"音楽を捨てよ、そして音楽へ"では気が付いたらずっと大森さんだけを見ていた。それだけ今の大森さんの歌う姿には目を引き付けるものがある。最後バンドメンバーを紹介した後に「音楽、お客さん!!!」と言ってマイクスタンドをステージ前ギリギリに持ってきて、マイクを観客の方へ伸ばしてフロアの声を拾うように左右に振り、それに観客が大歓声を送ってライブ終了。

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この日は持ち時間が30分で、50分だったフジロックと比べるとリハーサルの"TOKYO BLACK HOLE"を含めても3曲(さようなら、新宿、少女3号)少なく、曲間のMCも無かった。しかし、その分ドラクエでいう「ガンガンいこうぜ」のような感じで、一曲一曲に攻めのエネルギーを凝縮してぶつけてくるようなライブだった。持ち時間が短いからといって単に曲数を減らしたライブをするのではなく、それに合わせて毎分毎秒の熱量を高めたパフォーマンスをしようとしていて、大森さんが以前MUSIC JAPANで「1個の仕事も1回もチャンスを逃してはいけないということを感じている」と言っていたのを思い出し、今でもそれは変わっていないのだと思った。
 
大森さんのライブの余韻に浸りながら、Charaさんを見るために再びSOUND OF FORESTへ移動。向かう途中に過去に開催されたロッキンの出演者のサインが入ったフラッグが並べて展示してあり、2013年のフラッグには当時好きだったアイドルグループのBiSのサインを見つけた(この時のロッキンには行っていない)。2014年に解散していたが、今年再始動することを発表しており、今後の展開をとても楽しみにしている。

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Chara

Charaさんは金髪のハーフツインテールという髪型に淡い紫のスパンコールのミニドレスという衣装で登場。そして片手には小さなミラーボールをぶらさげていて、その佇まいだけで心を奪われてしまうような存在感だった。7人編成のバンドをバックに、やさしい気持ち、ミルク、Junior Sweet、YEN TOWN BANDのSwallowtail Butterfly ~あいのうた~といった超名曲揃いのセットリストを披露。Charaさんの暑さを忘れさせてくれるような透明感のある歌声に完全に心を掴まれ、終始泣きそうなくらい幸せを感じたライブだった。秋にはツアーを予定しているとのことで、ぜひまたじっくりライブを見てみたいと思った。

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DJピエール中野

Charaさん終わりでDJピエール中野さんを見に再びBUZZ STAGEへ来ると、テントの外まであふれるくらいお客さんがいて既に大盛り上がりだった。

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自分が到着した時にはRADWIMPSのおしゃかさまがかかっていて、それからELLEGARDENのジターバグ、ベビメタのメギツネ、ホルモンの爪爪爪、AKBのヘビーローテーション、ハイスタのSTAY GOLD、ヤバイTシャツ屋さんのパリピの曲(多分)と続き、みんな子供のように大はしゃぎして盛り上がっていてとても楽しかった。

ここで一旦曲が止まり、ピエール中野さんが以前ロッキンに出演した時の裏が椎名林檎さんだった(後で調べたところ2015年8月1日(土))というMCをした後、サプライズで大森靖子さんを呼び込む。大森さんは先ほどのライブの時とは違う衣装(私服かもしれない)に着替えていて、披露したのがこれまたサプライズで椎名林檎さんの"丸の内サディスティック"だった。

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本家さながらステージを右に左に行ったり来たりして、観客と一緒に左右に手を振る仕草をしながら歌っていた。

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終了後にピエール中野さんがツイートしていたが、これはピエール中野さんが大森さんに頼んで実現したものだったようだ。

大森さんの「魔法が使えないなら死にたい」というアルバムのジャケットが椎名林檎さんの「勝訴ストリップ」のパクリだと言われて炎上した件などは、僕もまだ大森さんを知る前の出来事なので詳しいことは知らないが、今回大森さんが椎名林檎さんの曲を歌ったことが大森さんや関係者にとって何か前向きな意味があったのなら良かったと思う。

後から見返すと大森さんのライブ終了後のツイートがサプライズ登場のフラグになっていたことに気付く。

大森さんのカバーの後、ラストは関ジャニ∞のズッコケ男道で終了。

野外の開放的な雰囲気もあり純粋に盛り上がれたという意味ではこの日一番楽しかった。

また、この日の翌日にアップされた大森さんの公式ブログで大森さんが自分の写真を使ってくれていて、とても嬉しかった。

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BUMP OF CHICKEN

DJピエール中野さんが終わってすぐに、この日のトリであるBUMP OF CHICKENを見るためにGRASS STAGEへ移動。自分にとっては正に世代のバンドで、音源は死ぬほど繰り返し聴いていたものの、ライブは2012年のGOLD GLIDER TOURで会場は確か幕張メッセで見たのが最初で最後だと思う。今回バンプのライブが見れることに直前まであまり実感が湧いていなかったが、いざロッキン最大のステージであるGRASS STAGEを目の前にすると、にわかに期待が高まってきた。

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日がほとんど沈んだ頃に入場のSE(The WhoのA Quick One, While He's Away)が流れ、観客の拍手に迎えられてメンバー4人が登場。ステージ横のスクリーンでメンバーの顔を見ると、さすがに昔と比べると少し年を取った印象だったが、雰囲気はほとんど変わらない気がした。

最近の曲はあまり追えていなかったので、セットリストは半分以上が聴いたことはあるが曲名がピンと来ないといった感じだったが、どれも素晴らしい歌と演奏だった。中盤の"車輪の唄"はバンプの中でも大好きな曲の一つで、まさかこの日のライブで聴けるとは夢にも思っていなかったので、言葉で言い表せないくらいの感動だった。ライブ中に藤原基央が「会いたかったぜひたちなか!」とか「今日は最高のライブを見に来たんだろ!?俺たちも混ぜてくれ!」といった煽りを入れていたのが痺れるくらい格好良かった。

あっという間に本編が終了し、アンコール待ちで観客による"supernova"のコーラスの大合唱が起こる。そしてTシャツ姿で再び現れた4人が演奏したのが"天体観測"で、最高のクライマックスとしか言いようがなかった。最後に藤原基央が「音楽というものに拍手をお願いします!」と言っていて、会場全体が拍手に包まれ、ライブ終了に合わせて花火が上がるのを見て、初めてのロッキンが終了した。

 

昨年末に初めてCOUNTDOWN JAPANに行った時にも感じたが、ロッキング・オン・ジャパンが企画制作するフェスは他のフェスと比べて実に細かい所まで配慮が行き届いた運営がされていて、終始快適に過ごすことができた。客層も僕が見た限りでは嫌な感じのいわゆる「ロキノン厨」はいなかったし、健全にライブを楽しんでいる人がほとんどだったように感じた。来年以降も機会があればぜひまた来てみたいと思った。

2016/07/21〜24 FUJI ROCK FESTIVAL '16

ふと思い立ってブログを始めることにした。一番の理由は、ここ最近シンガーソングライターである大森靖子さんの本格的なファンとなり、今年の夏に大森さんが出演する音楽フェスや秋のワンマンツアーに通う予定なので、一人のファンからの視点として記録を残しておきたいと思ったためである。詳しい理由は色々あるが、ここでは割愛する。大森さん以外のことも書くので、適宜読み飛ばしてもらえればと思う。

FUJI ROCK FESTIVAL '16

音楽に疎い人でも名前だけは知っていたりする、日本を代表する音楽フェスの一つ。今年で20周年を迎える。僕は元々洋楽も好きで、今回が2年振り8回目の参加となる。3日間の開催で、今年は7月22日(金)〜24日(日)。開催前日には前夜祭もある。僕はある年からフジロックに行く時は前夜祭から参加するようにしており、今年も前夜祭から参加することにした。

7月21日(木)前夜祭

前回の2年前は車で行ったが、今年は新幹線で行くことにした。午前11時過ぎに自宅を出発し、11時46分上野発の上越新幹線に乗って13時ちょうどに越後湯沢駅に到着。東京からだと意外と近い。越後湯沢駅からフジロックの会場である苗場スキー場まではシャトルバスに乗って行く。2年前までは無料だったが、去年から有料になったらしい。

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開催前日のこの時間だからかほぼ並ばずに乗車でき、30分ほどバスに揺られて会場である苗場スキー場に到着。自宅からおよそ3時間でこの非日常的な空間に来れるので、下手に海外旅行に行くよりいいと思ってしまう。バスを降りて少し歩いた所にリストバンド交換所があり、そこで3日通し券とキャンプサイト券をリストバンドと交換。

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リストバンドを交換したらキャンプサイトへ。良さげな場所を探してテントを設営する。しばらく荷解きなどをしつつゆっくりしてから、16時頃にグッズ売場や飲食店が並ぶエリアに移動し、そこで先に着いていた友人と合流。久しぶりの再会で積もる話をしながら18時販売開始のグッズ売場の列に並び、早々にお土産の購入を済ませる。ちなみに、前夜祭の日はアーティストグッズの販売はなく、オフィシャルグッズのみの販売。

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19時過ぎに前夜祭へ向かう。この入場ゲートを見るとフジロックに来た実感が湧いてくる。

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前夜祭はフジロックの会場で最大の飲食店エリアであるOASIS(オアシス)で行われる。着いた頃には既に大勢の人で溢れていた。

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前夜祭は盆踊り大会、豪華商品が当たる大抽選会、花火、早食い大会などの催しがあったり、オアシスに隣接するRED MARQUEE(レッドマーキー)という約5千人収容の大型テントのステージでライブが行われたりする。前夜祭のライブのタイムテーブルは直前に公開され、今年は海外のバンドやDJに混ざってNON STOP PUNKという、奥田民生浅井健一甲本ヒロトという豪華な顔ぶれが往年のパンクの名曲をカバーするというサプライズ企画があった。特に甲本ヒロトは少し着込まないと寒いくらいの時間帯に半袖Tシャツ姿で登場し、超絶格好良いパフォーマンスをしていた。最後は3人でラモーンズのBlitzkrieg Bopを共演し、前夜祭を締めくくった。ライブが終わった頃には23時を過ぎており、翌日に備えるためテントに戻る。

7月22日(金)1日目

5時前に起床。

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フジロックでの朝の日課である苗場温泉へ。無料で使えるシャワーもあるが、個人的にはキレイで露天風呂もある苗場温泉に早起きして行くのがおすすめ。

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温泉に入った後、7時前にグッズ売場に移動して8時の販売開始に備えて並ぶ。これまでの経験から、温泉やグッズだけでなくトイレや飲食店など全てにおいて早め早めに行動しておくと、余計な待ち時間の発生を回避できて効率的に時間を使えるのでそうしている。お目当てのアーティストのTシャツを買い、朝食も済ませていよいよフジロックのライブ会場へ向かう。

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BOREDOMS

フジロック最大のステージである約4万人収容のGREEN STAGE(グリーンステージ)のトップバッター。鉄の棒を引っ掻いて音を出したり、上向きに置いたスピーカーにフォークや灰皿などを入れて振動で音を鳴らしたりと、唯一無二の音世界を作り上げていた。20周年の幕開けにBOREDOMSを持ってくる辺り、さすがはフジロックである。

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奇妙礼太郎

フジロックではレッドマーキーと同じくらいの中規模なステージであるFIELD OF HEAVEN(フィールドオブヘブン)へ移動し、去年の夏の魔物での天才バンド以来の奇妙礼太郎フジロックというシチュエーションもあり、憂いのある声が忌野清志郎を彷彿とさせた。

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Suchmos

グリーンステージに次いで大きい約1万5千人収容のWHITE STAGE(ホワイトステージ)へ移動してSuchmosを見る。山の中なのに海辺で聴いているかのような涼しげな音。4月に行ったアラバキでは少ししか見れていなかったので通して見れてよかった。

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UA

フィールドオブヘブンへ戻ってUAを見る。衣装が鮮やかな紅白ストライプのワンピースで、生命力溢れる歌声が素晴らしかった。歌と打って変わってMCがお茶目なのが可愛らしかった。

 

illion

RADWIMPS野田洋次郎のソロプロジェクト。1stアルバムは2013年にリリースされており、海外では既にライブも行っていたが、日本ではこのフジロックのホワイトステージが記念すべき初ライブ。野田洋次郎は黒い無地のTシャツに幾何学模様のスカートというエスニックな衣装で登場。バックバンドはギター、ベース、ドラム、キーボード、コントラバス&シンセ(多分)の5人で、全員深緑色(手術着でよく見るあの色に近い)の衣装で統一されていた。アジアンカンフージェネレーション後藤正文のソロプロジェクトであるGotchもバンドメンバーの衣装を統一していたので、バンドの人がソロプロジェクトをやるとそうしたくなるのかもしれない。個人的に1stアルバムはビジュアル(画像参照)も含めて非常に好きだったので期待していたのだが、期待通りの良いライブだった。多分3曲くらい新曲を披露していたと思う。その中でもクラムボン原田郁子さんがゲストで登場して野田洋次郎と一緒に歌っていた新曲は、日が沈みかけてきた時間帯に相応しい穏やかで良い曲だった。恐らく同時間帯のグリーンステージとレッドマーキーの邦楽アーティストに観客が分散したのか、そこまで人は多くなかったが、これからの活動も楽しみだし、illionはもっと知られていいアーティストだと思う。

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このライブ映像の残り1分に音楽のマジックを感じる。

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JAMES BLAKE

2012年にホワイトステージで見たときよりダンサブルになっていた気がする。個人的にはじっと立ったまま空気が震える程の音圧を浴びる感じも好きだったけど、今の方がライブ向きなのかもしれない。

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SIGUR ROS

グリーンステージに設置された舞台装置とそれを取り巻く映像が巨大な芸術作品のようで、会場からも時折「おぉ…!」と感嘆の声が漏れていた。自分がよく聴いていた昔の曲をたくさん演ってくれたので良かった。

 

DISCLOSURE

2014年にホワイトステージで見て以来、再び同じステージでのDISCLOSURE。23時を過ぎる時間帯にも関わらずホワイトステージはパンパンだった。最後のLatchで盛り上がりは最高潮に達していた。

 

以上で1日目は終了。1日目は見たいアーティストが集中していて、既にチケット代の元は取った感じだった。

 

7月23日(土)2日目

6時台に起床し、朝一の日課の温泉と朝食を済ませる。この日は見たいアーティストもあまりいなかったので、結局お昼過ぎまでテントでゆっくりしてから大森靖子さんを見にレッドマーキーへ移動。

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大森靖子

一つ前のアーティストが終わったタイミングで前の方へ行き、ステージに向かってやや右側の2列目で待機。続々と機材が運び込まれ、ステージ後方のモニターに「大森靖子」の文字が映し出されると、待機しているファンから「おーっ」と歓声が上がる。自分もいよいよフジロックレッドマーキーに大森さんが立つのか…と感慨を覚えずにはいられなかった。

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モニターには十字架の上に羽の生えたハートが乗っかったようなマークも映し出されていた。

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しばらくして大森さんが登場。夏フェスグッズのフード付きタオルを被っていた。写真タイムがあったり観客に声を掛けたりして和やかな雰囲気。

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そしてバンドメンバーも続々とステージに姿を現し、楽器の調整を始める。上手側のギターはカーネーション直枝政広さんではなく、壊れかけのテープレコーダーズの小森清貴さん。それ以外はいつもの畠山ケンジさん(下手側Gt)、奥野真哉さん(Key)、tatsuさん(Ba)、ピエール中野さん(Dr)という顔ぶれ。大森さんもギターの調整に入り、この辺りから徐々に集中力を増していくのが分かった。

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ドラムの方を向いている時の背中からは殺気すら感じた。相当気合いが入っていたのは間違いないと思う。

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そうこうしているうちに急にバンドが演奏を開始。イントロをしばらく聴いて、BUMP OF CHICKEN天体観測だと分かる。このカバーの完成度が実に高く、バンドの演奏はちゃんと練習されたものだったし、大森さんも本意気で歌っていて、さながらライブ本編のクライマックスのような迫力で観客も大盛り上がりだった。フル尺を歌い切り、「リハーサルぅおっけぇぇでぇす!」とテンションMAXでリハーサルが終了し、一旦捌ける。

ちなみに、ライブ後に大森さんやピエール中野さんが言及していた巨大な蜂は、ステージとフロアの間や観客の頭上も飛び回っていて、自分も含めて前の方で待機していた観客は逃げることもできないのでただひたすらじっと耐えていた。あの蜂を前にしてもそれを感じさせずにライブをやりきった大森さんとピエール中野さんのプロ根性はさすがだと思う。

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間もなくして出てきた大森さんは手にとてつもなく大きな白い旗を持っていた。先端に銀色の槍が付いていて、実際に見るとかなり大きい。ドラムセットの近くに旗を立てる台が置いてあったので、2014年の夏の魔物でのコカコーラの旗のように直前に思いついた演出ではなさそう。また、タオルを取った大森さんの髪にはキラキラしたシールのようなものがたくさん付いていた。そしてライブが開始。セットリストは以下のとおり。

 

(アカペラ)

さようなら

(ギター弾き語り)

PINK

(バンド)

マジックミラー

ピンクメトセラ

ミッドナイト清純異性交遊

新宿

絶対彼女

少女3号

TOKYO BLACK HOLE

音楽を捨てよ、そして音楽へ

 

大森さんのライブで一曲目がアカペラなのは珍しいことではないが、こういったフェスでアカペラから始めるのは戦略的で良いと思う。大音量の演奏に慣れた耳に声だけが入ってくるのは新鮮な感覚で、一気に大森さんのライブの世界に引き込まれる。初めて見た人にとっては、大森さんの表情豊かな歌声や歌詞のユニークさにも気付けると思う。

二曲目は早くもダメ押しのようにPINK。いつも通り感情剥き出しで凄かったが、何となくこの日は余裕を持って歌っているように見えた。曲の後半でバンドメンバーがステージに登場し、ここからはバンド演奏でマジックミラー、8月リリースの新曲ピンクメトセラと続く。いざフェスで色々なバンドと聴き比べてみると、いかに今の大森さんのバンドには演奏の上手い人達が揃っているかが素人目にも分かる。

ミッドナイト清純異性交遊で観客が一気に前に押し寄せ、フェスらしい盛り上がりをしたところでMC。大森さんが「フジロック〜!音を出しに来たよ!」と呼び掛けると、最前列の観客が「待ってたよ!」と叫び、大森さんがそれに応えて「待ってたの?待ってた人〜?」と観客に手を挙げさせる。

そしてそのまま新宿を「ベック~レッチリシガーロス」と歌い出しをフジロック仕様に替えて歌い始める。曲の後半の畠山さんのギターと大森さんの絡みをTwitterでS◯Xみたいと書いている人がいたが、確かにそんな感じだった。

絶対彼女では最早定番となっているおっさんコール。この日は歓声にしてもこのコールにしても男性の声が目立っていた気がする。おっさんコールでは大森さんの「おっさん!」に対して「おっさん!」ではなく「イェーイ!」と応えている人が相当数いて、恐らく大森さんのライブを初めて見た人などだと思うが、お決まりとか関係なく自由に盛り上がっている雰囲気が何だか良かった。

少女3号は歌い始めた時に「おぉー!」と歓声が上がっていたので、もしかすると5月の森、道、市場のライブ映像を見て興味を持った人が結構いたのかもしれない。確かにこのライブ映像は最新の大森靖子バンドの良さが一番分かる動画だと思う。

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ラスト前曲のTOKYO BLACK HOLEは自分が大森さんに本格的にハマるきっかけになった曲ということもあり、イントロが鳴った瞬間で既に感無量だった。いつかグリーンステージでこの曲を聴きたい…と思いながら聴いていたが、この辺りから曲に没頭し過ぎて記憶が曖昧になっている。

ラストの音楽を捨てよ、そして音楽へでは、大森さんがカメラマンの二宮ユーキさんに指示してマイクを観客に渡して叫ばせていたのと白い旗を掲げていたのは覚えている。

twitter.com

大森さんのフジロックでのライブを見て思ったのは、大森さんは今改めてライブをライブたらしめようとしているということである。ここ最近、特に海外のフェスなどはライブ映像を無料で配信することが増えていて、家にいながらにしてあらゆるフェスのあらゆるアーティストのパフォーマンスを見ることができる。ところが、それが当たり前になってしまったがために、今回フジロックで見た中には正直何組か「映像で見るのと変わらないな…」と思ってしまったアーティストもいた。アーティストにとっては以前より生で見ても(見てこそ)良いライブをすることが必要になっているのではと思う。その点大森さんは、魔法が使えないならという曲の「@YOUTUBEさんからあの娘の端っこ かじって知ったかぶりさ YEAH」という歌詞にあるように、ライブに重きを置いてライブを主戦場としてきた人である。そして今回のライブでも大森さんは命を倍速で燃やすかの如く激しく動き回りながら、時に笑い、時に号泣するように歌っていて、見ているこちらの感情を揺さぶりまくった。特に今回のライブは大森さん自身の感情のボルテージがいつも以上に高いように感じ、ライブ中はほぼずっと大森さんに目が釘付けになっていた。さらに今はそれに演奏巧者が揃ったバンドによるサウンドが加わって、幅広い音楽ファンにとって分かりやすく楽しめるライブになっていると思う。今こそ大森さんは映像ではなく生でライブを体験するべきアーティストである。そして今後も大森さんはどこまでライブを「生きてるって実感できちゃうような」レベルに昇華させていくのか、まずはこの夏のフェスと秋のワンマンツアーを通してどれだけの進化を見せるのか、楽しみにしたい。

ライブ終了後、関西から来た大森さんファンの方としばし談笑。そのファンの方はこの日の昼間に到着し、翌日の昼間には帰るということで、実質1日の滞在のために片道何時間もかけて遠征して来ていた。ところが、そのファンの方には恐らく一生の思い出になるであろう思わぬサプライズがあり、わざわざ遠くから来た甲斐があったようで良かったと思う。

また、これは後日談だが、大森さんがフジロックに出演した3日後にあった実験室というファンクラブイベントで、最後のチェキを撮る時間に「フジロック行きました!」と言ったら、当日大森さんから見て自分のいた方向を指差しながら「見たよ~あそこにいたでしょ」と返されて、あれだけのライブをしながらどこにそんな余裕があるんだろう…と末恐ろしくなった。

 

WILCO

前回は2011年のフジロックに出演していたが、その年は仕事のため行けていなかったので、ようやく見ることができた。ただ、直前に見た大森さんのライブの衝撃が大きすぎたためか、やや物足りなく感じてしまった(会場全体はとても盛り上がっていた)。

 

EGO-WRAPPIN’

中納良恵さんは大好きな女性歌手の一人。MCで「お酒が美味しいでしょ?」と言っていたが、夕暮れの時間帯に中納さんの歌声を聴きながら飲むお酒は本当に美味しかった。最後に急遽一曲追加で披露したアコースティックのサニーサイドメロディーはまさに珠玉の時間だった。

 

BECK

日本でそこまで知名度なさそうだしもしかして大スベりしちゃうのかな…と心配していたが杞憂だった。一曲目にデビルズヘアカット、三曲目にルーザーを持ってきて、グリーンステージの数万人の観客を大合唱させていた。見た目が昔のままで全く変わっていないことに驚いた。途中知らない曲が多かったが、ヘッドライナーらしい貫禄のステージだった。

 

以上で2日目は終了。数は少なかったものの、大森靖子さんを見たことでエネルギー消費量は1日目と変わらない気がした。

 

7月24日(日)3日目

最終日は5時台に起床し、温泉と朝食を済ませ、帰りの下準備をしてからフィールドオブヘブンへ移動。

 

fox capture plan

恥ずかしながらこのバンドを知ったのはつい最近で、きっかけはディズニーのコンピレーションアルバムでの大森靖子さんとのコラボレーションだった。

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fox capture planと大森靖子さんのコラボ曲は3分過ぎ辺りから。調べてみるとジャズのインストゥルメンタルバンドで、ちょうどフジロックに出演するということでいい機会なので見ることにした。

そんなライブは期待以上に楽しく、ピアノ、ベース、ドラムというシンプルな編成から紡ぎ出される爽やかな音楽は、快晴の空の下でお酒を飲みながら体を揺らして聴くのにピッタリだった。盛り上げるところはきちんと盛り上げていて、文句の付けようがない良いライブだった。

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最終日のこの日も日差しがかなり強く、ステージから離れた日陰で遠目にdCprGはちみつぱいを見た後、ホワイトステージへ移動。

 

ROBERT GLASPER EXPERIMENT

2014年のサマソニに見たときはあまりピンと来なかったが、今回はとても格好良いと思った。原形がほとんど残っていないくらいアレンジされたレディオヘッドのEverything In Its Right PlaceやニルヴァーナSmells Like Teen Spiritのカバーも演っていた。今年はトータルだとホワイトステージが一番数多く良いライブを見た印象がある。

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BABYMETAL

前回2014年のサマソニで見た以降すっかり世界的なアーティストに上り詰めてしまった感じだったので、ホワイトステージは役不足ではと思ったが、案の定早々に入場規制となったようだった。ウォールオブデスやサークルモッシュも起きるほど盛り上がっていて、とても楽しかった。

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RED HOT CHILI PEPPERS

グリーンステージがパンパンに埋まる中での大トリ。周りは皆ヤバイを連呼してとても盛り上がっていたが、個人的には今一つだった。後々Twitterで音響があまり良くなかったという意見を見かけたので、それが原因だったのかもしれない。また機会があればリベンジしたいと思う。

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VIDEOTAPEMUSIC×cero

レッドマーキーに移動して今回のフジロックの締めとして見たこのライブが予想を遥かに上回る素晴らしさだった。特にceroのYellow MagusとSummer Soulはこれまでの疲れを忘れて飛び跳ねてしまうくらい楽しかった。フジロックはいつも最後の最後にこういう奇跡的な瞬間があったりするので、また来ようと思える。

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最後はBOREDOMSのEYヨさんのアヴァンギャルドなノイズのDJを聴いて、今年のフジロックは終了。

 

大森さんのライブでギターを弾いていた小森さんが「近年まれにみる快晴だけど、近年まれにみる夜寒い」とツイートしていたが、今年のフジロックの天候はまさにこのとおりだった。僕が参加した中では過去1回だけ一度も雨が降らなかったことがあったが、それだけ3日間まとまった雨が降らなかったのは珍しい。

 

フジロックには今回触れなかったご飯や自然など、他にも楽しみは言い尽くせないほどある。今年見たのは大・中規模のステージだけで、一度もライブを見なかった小規模なステージが他にいくつもあるし、100人いれば100通りの楽しみ方ができるのがフジロックだと思う。ただ、甘い想定で行くと痛い目を見ることもあるので、興味がある方は経験者にアドバイスをもらうか、経験者と一緒に行くことをおすすめする。