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僕がアナログシンコペーションを好きな理由

2017年3月15日、“超歌手”を自称するシンガーソングライターの大森靖子さんが、メジャーとしては3枚目のアルバム“kitixxxgaia”(キチガイア)を発売した。恥ずかしながらまだアルバム全体を十分に聴き込めていないのだが、現時点ではっきり言えるのは、このアルバムの一番最後(ボーナストラックがあるバージョンでは最後から2曲目)に収録されている“アナログシンコペーション”という曲がとても好きだということである。今僕が音楽を聴く時はアナログシンコペーションに始まりアナログシンコペーションに終わると言ってもいいくらい、この曲を繰り返し聴いている。ちなみに、僕のTwitterの大森さんファンを中心とするタイムラインでも、この曲に心奪われている人をよく見かける気がする。なぜこの曲がそこまで人を惹きつけるのか、頭の中で考えていてもすんなり答えが出ないので、この機会にブログを書きながら考えてみることにした。アルバム発売から一週間以上が経ち、既に多くの人がこのアルバムについての感想や考察を綴っていて、今から僕があれこれ書くのは遅きに失した感があるものの、あえて自分なりの考えを、それもただ一曲だけについてひたすら書いてみたいと思う。なお、僕は今回のアルバムに関する大森さんのインタビューやファンの方のブログなどを追い切れていない状態でこれを書いているので、認識不足があったり書いていることが被ったりしているかもしれないという言い訳をしておく。

まず、僕がこの曲を初めて聴いたのは、2月28日に開催された大森さんのファンクラブイベント“大森靖子の続・実験室 vol.26”で、このイベントでは毎回後半にギター弾語りでのライブが行われるのだが、この日のライブで新曲として初披露されたのがアナログシンコペーションだった。初めて聴いた印象は、シンプルながらも良いメロディーで、サビの言葉を畳み掛けるところが聴いていて気持ち良い、といった程度で大まかな全体像を捉えるので精一杯だったが、無性に心がじんわり熱くなるような静かな感動があった。それは、昨年9月に大森さんが“生ハムと焼うどん”という2人組女性アイドルと新宿LOFTで行なった2マンライブで、“オリオン座”を新曲として初披露したのを聴いた時の感覚に似ていた。

その次に聴いたのは、3月4日に鹿児島の鹿屋で開催された“大森靖子とKANOYA MUSIC FREAKS”という、地元の女子高生シンガーソングライターの藍さん、ラッパーのDOTAMAさん、そして大森さんという面白い組み合わせでのライブだった。

この日の大森さんのライブも弾語りで、ギターを抱えた大森さんが会場内を縦横無尽に動き回って地元の人達に絡みまくるという、この日にしか生まれ得ない良いライブだったのだが、そのライブで2度目のアナログシンコペーションを聴いて改めて感銘を受け、「しばらくこの曲を聴くためだけにでもライブに通いたい」とライブ終了後に知り合いのファンの方に熱く語ったのを覚えている。

そして3回目に聴いたのは、3月6日にヴィレッジヴァンガード渋谷宇田川店で開催された「kitixxxgaia」のリリースイベントだった。

この日は“kitixxxgaia”の音源を流しながら大森さんがそれに被せて歌うというカラオケ方式のライブで、ニコ生での配信も行われた。この日の会場となったヴィレッジヴァンガード渋谷宇田川店はこの3月をもって閉店することになっており、大森さんは間も無く最後を迎える店内をなるべく映像に収めておこうとするかのように、終始動き回りながら歌っていたのが印象的だった。大森さんは商品をネタにして笑いを取ったり、お客さんとデュエットしたりと自由奔放なライブでとても楽しかったのだが、それと同時に初めてアルバム全体を通して聴きながらジェットコースターのように感情が揺さぶられるのを感じていた。それは何年かに一度あるかないかの感覚で、ライブ中ずっと「このアルバムは凄い」と心の中で呟いていた。この日のライブを見たことによって、僕が知る限りでは今日本で一番面白い音楽をやっているのは大森さんだと確信したと言っても過言ではない。そのライブの終盤では、もちろんアルバム収録曲であるアナログシンコペーションも披露され、大森さんはアルバムの音源をバックに体を大きく揺らして手振りを交えながら歌っていて、ギター弾語りの時とはまた違った感情の高ぶりを感じさせられるパフォーマンスだった。

今のところアナログシンコペーションをライブで聴いたのはその3回で、後のリリースイベントやライブは仕事で予定が合わず行けていないが、Twitterを見ているとその後もこの曲は毎回セットリストに組み込まれているようである。そして驚いたのは、ラジオか何かだったと思うが、大森さんが今回のアルバムの中で少なくとも“ドグマ・マグマ”とアナログシンコペーションの二曲を聴いてもらえれば言いたいことは全て伝わる、といった趣旨の発言をしたのである。ドグマ・マグマは間違いなく今作のテーマソングといえる壮大なスケール感の楽曲であり、Music Videoも絢爛豪華な作りでとても力を入れているのが分かる。

www.youtube.com

大森さんの発言を聞くまでは、アナログシンコペーションがそんなドグマ・マグマと並ぶ重要な位置付けの曲だとは思っていなかったので、アルバムを手に入れてからはすぐさま歌詞カードでアナログシンコペーションの歌詞を何度も読み込んだ。歌詞はゆったりとした3拍子のリズムに乗せて次のように始まる。

 

あのステージへ続く光の道 眩しくて足元よくみえない

つまずいたあの日の石を拳に握りしめて強く歩いてきた

 

まず始めに「ステージ」というワードが出てくる。アルバムの一曲目を飾るドグマ・マグマの冒頭で大森さんが「感情のステージにあがってこい」と言い放つのだが、この最後の曲で再び同じ単語が使われている。ただし、ここでいう「あのステージ」とは「感情のステージ」のことではなく、それを越えたもっと先にあるステージを意味しているように思われる。僕が大森さんを好きな理由の一つとして、常に現状に満足せず、ストイックに上へ上へ行こうとする姿勢を感じるという点がある。「あのステージ」とは、そんな大森さんが目指している更なる高みを指しているように思えてならない。また「あのステージ」へ続くのは、足元がよく見えないほどの眩しい「光の道」だが、そこには多少の不安がありつつもそれに勝る希望が存在しているように感じられる。

続く歌詞では、これまでの道のりが決して平坦ではなかったこと、そしてその障害をきちんと自分の糧にしてきたという大森さん自身のこれまでの生き方に対する自負を示しているようである。大森さんは今年、歌手活動10周年を迎える。大森さんの“音楽を捨てよ、そして音楽へ”という曲に「全力でやって5年かかったし、やっとはじまったとこなんだ」という歌詞があるが、昨年行われた全国ツアー“TOKYO BLACK HOLE TOUR”の大森さんの地元である松山での凱旋公演で同曲を歌った際、歌詞の「5年」を「10年」と言い換えて歌ったということがあった(ごく最近のライブでもそのように言い換えて歌ったというツイートを見かけたような気がする)。アナログシンコペーションの最初の2行の歌詞は、10周年という節目の年に改めてそのことを歌ったものではないだろうか。ここから曲は転調して力強く加速していく。

 

みんなからは私が汚く

私からはみんなが美しく光ってみえる呪いを

こんな石は捨ててしまおうか

ただ私のかなしみはこの世界の犠牲ではなくて

それ自体が喜び

 

大森さんは“呪いは水色”という曲で、人が生きていく上でどうすることもできない運命や業などを「呪い」という言葉で表現しており、ここでも自分の劣等感のことを「呪い」と言い表している。その「呪い」=「石」を捨ててしまいそうにもなるけれど、その「かなしみ」を「喜び」と捉え、さらに続く歌詞でその「喜び」=「Joy」に対して「ur (you’re) my friend」と呼びかけている。これは大森さんが音楽活動の一つのテーマとしている“肯定”そのものに他ならない。

entertainmentstation.jp

 

Hey Joy, ur my friend

平常に生きてる

少女は掌握してる 嫉妬してる

透明衝動

未来都市線 夜は飛行機雲みえない

重ねてよ アナログシンコペーション 美学を

あなたとの違いを シンコペーション

 

この辺りから小気味よく韻を踏みながら歌詞が続いていくのが聴いていて気持ち良い。僕はナンバーガールというバンドが好きで、初披露の時からそのバンドの曲名である「透明少女」と言っていると思い込んでいたのだが、歌詞カードを見たら正しくは「透明衝動」で、聞き間違いをしていたことが分かった。ただ、その前の歌詞で「少女」という単語が使われているので、もしかすると大森さんは意識したのかもしれないし、単なる偶然かもしれない。

その次の「未来都市線」という言葉は、一見響きの良さだけで使われているようにも思えるが、実はここにこの曲の主題が含まれていると思っている。それについてはまた後ほど書くことにする。そしてサビの最後の歌詞では曲のタイトルが用いられている。僕は音楽の専門知識がある訳ではないので、色々と「シンコペーション」について調べた結果、リズムをずらして演奏する手法の一つ、というところまで理解できた。それを踏まえて歌詞を読むと、「私」と「あなた」のリズムを合わせる必要はないし、寧ろ合わせてしまうと単調でつまらない音楽に成り下がってしまう、つまり、誰かと違った美学を持っていていいし、それを無理に変える必要はなく、そのままでいていい、という先ほどと同様の“肯定”のメッセージが込められていると解釈できるのではないかと思った。

なお、この歌の主人公は自分のことを「私」と呼び、相手のことを「あなた」と呼んでいる。前回のアルバム“TOKYO BLACK HOLE”の表題曲では、登場人物は「僕(ぼく)」と「君」だったが、僕の中でこの二人は実在しない架空のキャラクターだというイメージを持っている。一方で、今回の「私」は、歌詞を読めば読むほど大森さん自身のことを言っているのではないかと思える。ただし、大森さんが“マジックミラー”で歌っているように、ここでいう「私」は大森さんを鏡として写し出されている僕たちであるかもしれない。

サビが終わると、曲は再び転調して3拍子のリズムに戻る。音源ではこの時に大森さんが小さく「あっ」と言う声が入っていて、大森さん自身がこの転調についていけずに躓いているかのようだ。この繰り返される転調も、先ほどの「リズムを合わせる必要はない」という意味を曲の構成自体にも込めたものではないか、というのは深読みしすぎだろうか。

 

このステージで掴む きらきら星は

掴んだ瞬間に 消えてしまうの

愛は生まれすぎる 歌ってもまだ

人生を食べては また生まれる

 

ここで再び「ステージ」という言葉が出てくるが、「このステージ」は今大森さんが日々立っている「感情のステージ」のことだろう。僕もここ一年間で大森さんのライブをそれなりに見る機会があり、正に「きらきら星」を掴む瞬間に何度か遭遇した。その輝きはライブが終わるとあっという間に消えてしまうものだが、僕がライブに通うのはその「きらきら星」を掴む瞬間に立会うためである。昨年の夏フェスや全国ツアーでの大森さんのライブを見ながら、これをもっと多くの人に見てもらいたいと強く思ったことを思い出す。そしてこの辺りから歌詞に「愛」という言葉が一つのキーワードとして出てくる。曲は再び転調してテンポを上げていく。

 

甘いショートケーキが倒れて

だらしない形でも 美味しいなんて 嫌なの完璧じゃない

こんな愛を捨ててしまおうか

使い方次第で ひとつの世界を終わらせてしまう

形ない核兵器

 

このショートケーキの歌詞は女の子目線のようだが、男の自分でもこの気持ちはよく分かるし、誰しもが持つ「拘り」や「拗らせ」の部分を絶妙に描写していると思う。そんな拘りが衝突を引き起こしたり、拗らせが修復不可能なほどに悪化したりして、「こんな愛を捨ててしまおうか」とさえ思うことや、そんな愛が「使い方次第で ひとつの世界を終わらせてしまう」こともあると歌っている。ここでいう「ひとつの世界」とは、歴史的には愛が文字通り一つの国を滅ぼしたこともあるが、ここではあくまでも一人一人の人生や生活のことだと思う。そして、愛は時に人一人の世界を終わらせてしまうほどの破壊力を持つ「形ない核兵器」になり得ると言っている。「終わらせてしまう」というのは、精神的な意味においてだったり、実際的な意味においてだったりするだろう。ただし、それは裏を返せば、愛は使い方次第で自分の世界を守ることができる、何にも勝る強力な武器になるということを意味しているのだと思う。ここから曲は再びサビに入る。

 

Hey Joy, ur my friend

平常を創ってる

ルールは掌握して スルーしてる

透明衝動

未来都市線 夜は飛行機雲みえない

重ねてよ アナログシンコペーション 美学を

あなたとの違いを許せずに 向き合うことに疲れたなら

同じあの光のなかで同じ夢と向き合って

それぞれ音をならそう

 

1回目のサビでは「あなたとの違い」を受け入れることができていた「私」が、2回目には許すことができなくなっている。さっきとは別の部分の「違い」なのかもしれないし、同じ「違い」だが「私」の気分や考えが変わったのかもしれない。人はみんな違っていて当たり前と頭では理解していても、それでいついかなる時も相手の全てを受け入れられるほど人は単純にできていないし、昨日許せたことも今日には許せなくなることだってあると思う。そこで大森さんは、そんな時には向き合い方を変えてみるといい、という新しい視点を提示してくれている。そして、ここでいう「あの光」は冒頭の「光の道」であり、「夢」は「あのステージ」のことだろう。「私」と「あなた」は「あのステージ」という同じ「夢」を共有していることが分かる。落ちサビを抜けて、曲はクライマックスに入る。

 

混沌から未来を絞り出す どでかいひみつきち

Hey Joy, ur my friend

平常に生きてる

少女は掌握してる 嫉妬してる

透明衝動

未来都市線 二本の飛行機雲重ね

キチガイアナログシンコペーション

個性を重ねてよ アナログシンコペーション

キラキラ

 

ここで出てくる「混沌」は足元がよく見えないほど眩しい「光の道」であり、そこから「未来を絞り出す」ことは「夢」である「あのステージ」を目指すことである。そして、そのための「ひみつきち」は「私」と「あなた」の二人だけの小さな秘密基地ではなく、「どでかいひみつきち」である。つまり、ここまで「私」と「あなた」は二人の登場人物として描かれていたと思っていたが、実は「私」が向き合っている「あなた」は一人ではなく、「あなた(たち)」=「みんな」だったということだ。「私」と「みんな」の「どでかいひみつきち」、それこそが「キチ(基地)ガイア(地球)」である。「私」と「みんな」で「あのステージ」という「未来」の「夢」を目指すための歌、それがアナログシンコペーションという曲なのではないだろうか。ただ、大森さんは決して「みんな」との関係を一対多と捉えているのではなく、一対一×多であろうとしている。1回目、2回目のサビでは「夜は飛行機雲みえない」と言っていたが、最後のサビでは「二本の飛行機雲重ね」と言っている。あくまでも「私」と「あなた」を一対一の関係として捉え、「二本の飛行機雲」を、「個性」を重ねていこうとしている。

曲の最後は大森さんが儚げな、ただし力強い声で「キラキラ」と繰り返し歌って終わる。実はボーナストラックが入っているバージョンではとある仕掛けが施されており、僕はそれを知ってから曲の最後の部分について自分なりの解釈をしているのだが、あえてそれはここには書かないでおこうと思う。

これまで大森さんは過去や現在における風景や感情を鮮やかに切り取って歌ってきた人だ。それが打って変わって、アナログシンコペーションでは今までにないくらい「未来」や「夢」を歌っている。大森さんが過去の記憶や現在の現実から未来の夢へ目を向けて希望を託したこと、それがこの曲において福音のように鳴り響いていること、それが僕がアナログシンコペーションを好きな理由なのではないかと思った。

 

なお、このブログを書いている週のオリコンのウィークリーCDアルバムランキングで、“kitixxxgaia”が初登場10位にランクインした。大森さんにとって歴代最高位である。

www.oricon.co.jp

大森さんはその結果を受けて次のようなツイートをしている。

「私の美学で孤独も自由も肯定し尽くして、個性を重ねるのが容易い世界」をつくること、それが大森さんが目指す「あのステージへ続く光の道」なのかもしれない。

2016/11/04 大森靖子@TOKYO BLACK HOLE TOUR HIROSHIMA● LIVE JUKE

大森靖子さんの全国ツアー「TOKYO BLACK HOLE TOUR」9日目の広島公演を見てきた。

広島公演は10月9日の大分公演以来となる弾語り公演で、今回のツアーにおける弾語りでのライブはこの日がラストとなる。広島公演の日は東京から始発の新幹線で尾道へ行き、夕方まで観光してからライブ会場であるLIVE JUKEへ向かった。

LIVE JUKEは、広島市中心部の平和大通り沿いに建つビルの19階にあるライブハウスで、この平和大通りではライブの日の翌日に25年ぶりにセ・リーグ優勝を果たした広島東洋カープの優勝パレードが行われた。開場時間の18時半頃にビルのエレベーターで上がって会場へ着くと、ロビーは入場を待つお客さんで一杯だった。

会場の中へ入ると、左手にバーカウンターがあり、右奥が天井から床まで一面ガラス張りの窓になっていて、その向こうに広島の夜景が広がっていた。その窓際にギターとグランドピアノがセッティングされていた。

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事前にインターネットで会場の写真を見て、椅子席は窓側に向かって整然と並んでいる様子を想像していたが、実際には中央に花道のような空間が設けられていて、それを囲むように椅子が並べられていた。秋田公演の時とやや似たレイアウトだが、この日の方が雑然とした並べ方で、向かい合うお客さん同士の距離がずっと近かった。

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ナナちゃんはその花道の床の上に置かれており、頭には大森さんのサイン入りのおもちゃ(?)が乗せられていた。そしてナナちゃんの下にはなぜか広島の「むさし」の地図が敷かれていて、大森さんの字で「あれ〜?ナナちゃんのイタズラで、今日はなんだかイスの配置が不思議だな〜ʕ*•ᴥ•ʔ✩」と書かれていた。そういった大森さんの遊び心を感じさせる演出もあり、事前に予想していたようなかしこまった雰囲気はなく、開演前の会場は和やかでリラックスしたムードに包まれていた。

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開演時間の19時半になり、バンド編成の時と同じSEが流れて大森さんが登場し、ライブがスタートした。

この日のセットリストは以下のとおり。

<ギター弾語り①>

TOKYO BLACK HOLE

マジックミラー

PINK

さっちゃんのセクシーカレー

あまい

ミッドナイト清純異性交遊

君と映画

さようなら

朝+

I & YOU & I & YOU & I

SHINPIN

hayatochiri

背中のジッパー

給食当番制反対

Over The Party

絶対彼女

デートはやめよう

あたし天使の堪忍袋

ノスタルジックJ-POP

 

<ピアノ弾語り①>

キラキラ

Wanderin' Destiny (globeカバー)

君に届くな(新曲)

HOWEVER (GLAYカバー)

謡曲

KITTY'S BLUES

青い部屋

オリオン座

 

<ギター弾語り②>

非国民的ヒーロー

魔法が使えないなら

少女漫画少年漫画

 

アンコール

<ギター弾語り③>

愛してる.com

呪いは水色

 

この日の大森さんは黒いワンピースに十字架のペンダント、花の刺繍が入った黒いショートブーツという装いだった。1曲目は“TOKYO BLACK HOLE”で、この日のギター弾語りは終始マイクを使わずに生声で歌い、ギターもアンプを通さずに生音で演奏していた。続いて“マジックミラー”“PINK”と歌ったが、この最初の3曲はツアー初日の秋田公演と同じだった。“PINK”を歌い終えると、大森さんは久しぶりとなる広島のファンに、しばらく会えない間にも独自のペースで生活を頑張ってくれて、今日その生活を持って来てくれてありがとうございますと言い、今日は独自の前方後円墳のような椅子席で、私が全部並べましたと話していた。

次の“さっちゃんのセクシーカレー”では、歌い始めてすぐに花道沿いに座っていたかなりさんを見て「髪型被ったね…被りを気にして皆がしない髪型をしたつもりだったのに…」と絡んでいた。続いて“あまい”、そして唯一ペンライトを使える曲ということで“ミッドナイト清純異性交遊”をフロアを移動しながら歌い、客席の間を通って後ろの方まで行っていた。

“ミッドナイト清純異性交遊”を歌い終えると、近くに座っていた広島の大森さんファンであるはまださんに話し掛け、はまださんの彼女の話などごく私的な会話をしばらくしてから、リクエストを聞いて“君と映画”を歌った。その後もバーカウンターの方へ移動し、お客さんと親しげに話をしながら“さようなら”や最新シングルの“POSITIVE STRESS”のカップリングである“朝+”を歌った。続いて“I & YOU & I & YOU & I”を歌ったところで「よし、意外と動線を作れていたぞ!楽しかった!」と言って中央の花道へ戻った。フロアを練り歩きながらリクエストを聞いて歌うのは今年の6月に行われた甲府の桜座での「ハミングバード爆レス歌謡祭」を思い出させたが、この日はその時よりもお客さん一人一人と時間をかけて会話を交わしていて、それによって会場全体がアットホームな雰囲気になった気がした。

花道で“SHINPIN”“hayatochiri”を歌ったところで、夜景が見える窓の方を見ながら「皆で地球から逃げ出した感がすごいので、そういう設定でいきます」と言って“背中のジッパー”を歌った。続いて“給食当番制反対”“Over The Party”を歌った後、大森さんが前方後円墳の円の先端に当たるところに座っていたまるおさんにピックをプレゼントするのが見えた(自分の席からは見えなかったが、ナナちゃんの頭の上に乗っていたおもちゃや下に敷いていた紙も近くのお客さんにプレゼントされたらしい。)。自分の席からはまるおさんの顔がよく見えたのだが、その時のまるおさんの何とも嬉しそうな表情が印象的だった。

次の“絶対彼女”ではいつもどおりに女の子とおっさんに分かれてサビを歌ったのだが、おっさんパートを聞いた大森さんが「今日美声じゃない!?どうした?なんで?」と驚き、もう一度おっさんにサビを歌わせると「あなただね!?」と花道沿いの最前に座っていた男性をロックオンした。男性の横に座っていたお客さんに「だよね!?」と確認して、男性に「ソロで!」と言ってソロで歌わせた。その歌声は確かに美声で、大森さんが「めっちゃいい…」と言っていた。

“絶対彼女”を歌い終えると、「今日は歌うのがいいんだね、オッケーオッケー」と言って、再度まるおさんをイジってから“デートはやめよう”を歌った。「変な柄のシャツ 目が痛くなるよ」のところでは、花道の最前のお客さんが着ていた意識高いTシャツに顔を近付けて目が痛くなる演技をしていた。「エロいことをしよう」のところでは、揚げもみじまんじゅうにアイスを付けて売っているお店があり、それが死ぬほどうまいという話をして、あったかい揚げもみじまんじゅうと冷たいアイスが溶ける接合部のエロさを想像しながら歌ってください、と言ってお客さんに歌わせたが今一つだったようで、「ちゃんと想像した?もみじまんじゅう感伝わらなかったよ」と言って、今度はもみじまんじゅうの振り付け(島田洋七さんのギャグのように手でもみじまんじゅうのシルエットを描く)をしながら歌おうと言って、全員でもみじまんじゅうの振り付けをしながら歌った。花道に立つ大森さんを囲んで、皆でもみじまんじゅうのシルエットを描きながら「エ〜ロい〜ことをしよう〜」と歌う光景はなかなかシュールだったが、とても面白かった。

次の“あたし天使の堪忍袋”でもお客さんが一緒になって歌ったところで、大森さんがピアノの椅子に腰掛けて足を組み、ギターを抱えて“ノスタルジックJ-POP”を歌った。「ここは君の本現場です」のところで、大森さんがピアノの真横の席に座っていたしなもんさんを見て大きく頷き、しなもんさんもそれに応えて大きく頷き返したところ、しなもんさんの隣に座っていたもりおさんがそれを見て笑い出してしまい、大森さんが演奏を止めて「隣が笑うのやめて、やりづらいから(笑)」と言った。仕切り直して再び「ここは君の本現場です」の歌詞から歌い始め、また大森さんとしなもんさんが頷き合うと、今度はしなもんさんの前に座っていたのわさんが笑ってしまい、大森さんが「お前も隣だよー(笑)」と言い、再度仕切り直しに。三度目は笑いが周りに広がってしまい、「広がらないで(笑)」と言って止まりかけたが、何とか続行して歌った。しかしそれで終わりではなく、歌の途中でもりおさんが泣いている(後で聞いたところでは、この曲を聴くと訳もなく泣いてしまうらしい)のを大森さんが見つけ、もりおさんの方も泣いているのを大森さんに見つかったことに気付いて慌てふためくリアクションをしたので、それでまた周りが笑っていた。

ここからはギターを置いてピアノの弾語りへ。“キラキラ”からスタートし、続いてglobeのカバーで“Wanderin’ Destiny”を歌った。この曲のマーク・パンサーのラップパートでは、お客さんに曲の途中で無茶振りをしてマイクを渡し、ラップをさせる一幕があった。歌い終えると大森さんがそのお客さんに笑顔で拍手を送っていて、それでそのお客さんは報われたようだった。そのままMCに入り、「今日会場見てディナーショー感出ると思ってたでしょ?ところがどっこい前方後円墳システムだったんだな(笑)」と言って、大森さんが愛媛県松山市出身で、広島とはスーパージェットという船で1時間半くらいだが、来週地元凱旋公演がありライブに来た人は誰でもカラオケに行けるので、ぜひそっちにも遊びに来てほしいという話をした。そしてiPhoneを取り出し、それを譜面台に置いて次の曲を始めた。「ゆらゆら」と「BABY BABY BABY BABY LOLI LOLI LONELY DOLL」という歌詞が特徴的な曲で、歌い終わった後にこれは“君に届くな”という新曲で、来月発売のシングルの3曲目にピアノ弾語りで収録されるものだと紹介された。この曲のピアノのソロはXファイルのテーマ曲と同じ音で、GLAYもそうだと言っておもむろに“HOWEVER”を歌い始め、そのまま続けて “歌謡曲”“KITTY’S BLUES”“青い部屋”を歌った。そして「合唱いくよー」と言って皆で歌詞のプリントを見ながら“オリオン座”を歌い、ピアノ弾語りは終了。

ここでMCに入り、まだ発売していない曲、しかもTOKYO BLACK HOLEツアーなのに全然関係ない曲の合唱に付き合ってくれてありがとうございます、今日もここに来てこんな感じだったら前方後円墳にしたいとか、あれやりたいとかこれやりたいとか思いついたことにずっと付き合ってきてくれている方とか、今日初めて来て「えっ?」って思った方も、誰もいないと出来ないのでずっとそういうのが出来ていて本当に嬉しく思う、私のライブは最初の頃は本当に誰もいなかったが、ちょっとうまくいっているかもと思った時に会場より客足の方が先に伸びた時も大体この位(顔のすぐ前に手を置く)でライブをやっていたけど、こういう大きさでできるのは気持ち良い、と話していた。

また“オリオン座”について、嫌なことがあった日も、何もうまくいかないという日も、もう死にたいという日も、月は見守ってくれている感じがあるが、オリオン座はただそこにある感じ、ふと見上げたらあぁあるなという感じで、それは冷ややかだったりするけど、自分にとってオリオン座というのはそういう星座で、歌もそういう風にありたいと思って、見守ったり突き放したりするのではなく、ただそこにある歌みたいなのがあってもいいんじゃないかと思って作ったという話をしていた。

そして、最新アルバムのTOKYO BLACK HOLEにも色んな曲が入っていて、違う気分の時に聴いたら違う風に聴こえるかもしれないので、それをTwitterのDMやリプライで「今日はこういう風に思いました」と送ってくれたら「そんな解釈があるんだ、じゃあそっちで」みたいな気持ちになるのでいっぱい送ってほしい、色んな気持ちの時にそばにいれたらいいなと思ってたくさん曲を作っているので、これからもよろしくお願いします、と言ってギター弾語りを再開し、“非国民的ヒーロー”“魔法が使えないなら”“少女漫画少年漫画”を歌って本編は終了。

アンコールで登場した大森さんは、TOKYO BLACK HOLEツアーは1時間半を目標にやっていて毎回2時間になってしまい、今日はglobeが長かったとマネージャーと反省したという話をしてから、今日嫌な事があった人?と質問し、2年付き合った彼氏に今日の朝メールでフラれたと答えた女性にやってほしい曲を聞いたところ、その女性は“愛してる.com”をリクエストした。会場全体が「え?フラれたのに愛してる.com?」となって大森さんもお客さんも爆笑していた。歌い終わった後、大森さんがその女性に「お陰でみんな色んな意味を…曲に含みができてよかった(笑)」と言っていた。そして最後に“呪いは水色”を歌ってこの日のライブは終了。

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この日のライブでは、向かい合って座っているお客さんの顔がよく見えたので、初めの数曲で既に顔をぐしゃぐしゃにして泣いている人、恋する乙女の表情で大森さんをじっと見つめている人、もはや大森さんの方を見ずに下を向いて泣いている人、ピックをもらって恍惚の表情を浮かべている人、ずっと顔色を変えずに聞いていたのにピアノ弾語りで思わず泣いてしまう人など、色んな表情が見えて、大森さんはいつもお客さんのこういう顔を見ながらライブをしているのだと思い、先日の札幌公演の時にそれを「面白くて最高」と言っていたが、その感覚を少し味わったような気がした。

また、この日は会場のロケーションや雰囲気も良かったし、お客さんのリクエストを含めセットリストも良かったし、大森さんの生音のギター弾語りと長めのピアノ弾語りも両方良かったし、お客さんとの絡みも内輪ノリ満載で面白かったし、とても居心地の良い楽しいライブだった。振り返ってみると今までの大森さんの弾語りで一番良いライブだったかもしれない。

ライブ終了後は大森さんファン十数名で反省会をし、二次会では焼売さん、もりおさん、まるおさん、しなもんさんと牡蠣料理を食べに行った。皆で今日の大森さんとの絡みを振り返ったりしてとても楽しかった。朝4時くらいにホテルへ戻って少し休み、10時頃にホテルをチェックアウトして広島東洋カープの優勝パレードを見てから広島駅へ行き、新幹線で東京へ戻った。

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大森さんがライブの翌日にブログを更新し、広島公演について書いていた(ブログでツアー公演について書くのは長崎・大分以来)のと、このライブで初披露された“君に届くな”の歌詞も含めた12月14日発売の「オリオン座/YABATAN伝説」の内部資料を公開していた。個人的にはMCで「ただそこにある歌」として作ったという“オリオン座”がどういう仕上がりになっているのか、今からとても楽しみにしている。

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2016/10/29 大森靖子@TOKYO BLACK HOLE TOUR SAPPORO● PENNEY LANE24

大森靖子さんの全国ツアー「TOKYO BLACK HOLE TOUR」8日目の札幌公演を見てきた。

札幌公演の前日に大森さんはChim↑Pomの新作個展「また明日も観てくれるかな?~So see you again tomorrow, too? ~」で行われたオールナイトイベント『ART is in the pARTy』に弾語りで出演しており、そのイベントにはシークレットゲストとしてあの小室哲哉さんも出演してライブを行った。そのライブの模様はYouTubeで配信されており、札幌へ行くために朝4時起きの予定だったが小室さんのライブが終わる1時半まで起きて見てしまった。

朝は何とか予定どおりに起床して空港へ向かい、札幌行きの飛行機に乗った。この日はライブが終わった後もエンドレスな展開になる予感がしていたこともあり、札幌到着後は行列のできる味噌ラーメンを食べに行った以外はライブの開場時間までゆっくりと過ごした。

今回のツアーでは、弾語り公演は全て前売でソールドアウトしているものの、バンド編成の公演は今のところ仙台を除いて当日券が出ている。僕は今年の夏に、ピエールフェスから始まってフジロックap bank、ロッキン、ライジング、サマソニ、ワーハピ、ベイキャンプと様々なフェスに行って数多くのアーティストのライブを見てきたが、それを通じて今一番見るべきアーティストだと思ったのが大森さんだったので、まだまだ大森さんのことが知られておらず百人単位のライブハウスすら完売しないのは少し残念だと思っている。いつか「今では考えられないけど、TOKYO BLACK HOLEツアーの時はライブハウスのキャパでも完売していなくて、当日券も普通にあったよね」という会話をする日が来るといいなと思う。

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大森靖子ファン街中で4:44の写真撮りがち(これはさっぽろテレビ塔

会場であるPENNY LANE24へ着くと、既に会場横に大勢の人が整理番号順に列を作って待機していた。顔を見慣れた人達もたくさんいて、今回の遠征組の多さは九州以来だったと思う。札幌は10月とはいえ東京の真冬並みの寒さで、それにも関わらず意識高いTで待っている人もいて、これから始まるライブへの意識の高さを感じた。

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これ以降、ライブの内容についてなるべくネタバレにならないように書いているが、セットリストやMCなどの内容について触れているため、気になる方はこれ以降読まないことをおすすめする。

この日のセットリストは以下のとおり。

PINK

ミッドナイト清純異性交遊

生kill the time 4 you、、♡

イミテーションガール

私は面白い絶対面白いたぶん

非国民的ヒーロー

ピンクメトセラ

絶対彼女

劇的JOY!ビフォーアフター

愛してる.com

子供じゃないもん17

さっちゃんのセクシーカレー

オリオン座

給食当番制反対

少女漫画少年漫画

SHINPIN

呪いは水色

あまい

TOKYO BLACK HOLE

音楽を捨てよ、そして音楽へ

 

アンコール

マジックミラー

 

これまでのツアーでは、大森さんは“ピンクメトセラ”の縷縷夢兎の衣装、新⚫zのメンバーはTOKYO BLACK HOLE Tで揃えていることが多かったが、今回は何人かが新しい衣装で登場した。後のMCでこの衣装は発注が遅れていてやっと届いたものだと言っていた。

この日も“PINK”からスタートし、“ミッドナイト清純異性交遊”ではお客さんが一気に前の方に押し寄せる盛り上がりだった。“生kill the time 4 you、、♡”が終わるとMCに入り、北海道に来るのはライジングサン以来で、その時はお客さんに来てもらうために鼻セレブを配ったが、今日は鼻セレブを配らなくてもこんなに人が来てくれて嬉しい、札幌の皆さんは寒い所なのにとても暖かく迎えてくれるので、その一人一人の熱量を丁寧に音にしていこうと思う、と言って“イミテーションガール”へ。

“非国民的ヒーロー”の後のMCでは、1年半前の洗脳ツアーの時に北海道へは弾語りで来ていて、私はよく弾語りが一番と言われるのだが、北海道だけは「何でバンドで来てくれなかったんですか!?」と言われて、それが嬉しかったので今日はバンドで来たと言うと、お客さんから大きな歓声と拍手が起こった。それに乗っかってピエール中野さんがドラムをドンドン鳴らすと、大森さんが「こういうのムカつくけど(笑)」と言い、中野さんが「なんでだよ!盛り上げてるんだよ!」と反論すると、また大森さんが「お客さんはそれぞれのテンポで盛り上がってるからそういうのされたくない」とふてくされた感じで言い返し、中野さんが「それを許容できるのが大森靖子じゃないの?」と上手い切り返しをすると、大森さんが「やんのかコラァ!」とキレる(演技をする)という掛け合いがあり、その間ずっとお客さんから笑いが起こっていた。

“ピンクメトセラ”の後のMCでは、今回のツアーで欠かさずしているDMの話をして、これは大森靖子の規模が大きくなってもこのペースでやっていきたいと言っていた。これまでのツアーでは目の前のお客さんに対してDMを送ってほしいと呼び掛けていたのが、この日はもう一歩踏み込んだ言い方をしていたのが印象的だった。そして大森さんがお客さんに「今日嫌なことあった人?」と質問し、何人かのお客さんから答えを聞いた後、風俗嬢の友達から「稼げない」と八つ当たりされるという女性を“絶対彼女”のソロパートに指名した。その女性にはナナちゃんピックがプレゼントされ、本番のソロパートではお客さんのケチャを浴びながら見事な歌声を披露していた。

“絶対彼女”を歌い終わった後、風俗嬢つながりで闇金ウシジマくんの作者(真鍋昌平さん)の漫画に「大森靖子」と刺青を彫った風俗嬢が出てきたことがあって嬉しかったという話をしていた。

そして、今回のツアーでライブを見た人がネタバレを気にしてツイートしないようにしてくれているが、感想が分からないので大丈夫かな…と思っていたが、今日皆の目がバターサンドみたいに優しくなっているのを見て大丈夫だと思ったと言っていた(この後ギターのあーちゃんさんがバターサンドのモノマネ(?)をしていて大森さんが一人で爆笑していた)。他にも色々と話が飛びまくっていて、以前に話していたことも多かったのでここでは割愛するが、最後にギターの畠山健嗣さんが「セトリが長いからと言ってスタジオで話し合って削ったあの時間はなんだったんだ…」と言うくらい長めだったMCを終え、“劇的JOY!ビフォーアフター”に入った。

“さっちゃんのセクシーカレー”に入る前のMCでは、今回のツアーで度々している、この曲のモデルになったライバルについての話をして、ライバルと思う人はあまりいないが、演歌歌手やオシャレな人、顔が面白い人はカッコいいと思う、私のライブに来る人は顔が面白くて最高だと思っていて、今は感受性を殺して楽に生きている人が多いが、皆はちゃんと一つ一つの出来事を顔で受け止めているからちょっとずつ歪んでいて、その歪みが美しいと思える、そうやって真っ当に傷ついた人間だけが得られる喜びをライブで作っていきたい、という話をしていた。ちなみに、“さっちゃんのセクシーカレー”のアレンジがこの日のライブから少し変わっていた。

“オリオン座”では、この日も入場時に配られた歌詞のプリントを見ながら観客も一緒になって合唱し、終わった後には所々で鼻をすする音が聞こえた。このライブの2日後に配信で行われたLINE LIVE(大森さんの弾語りとゲストの根本宗子さんの一人芝居を交互に行い、配信中にLINEの大森さんの公式アカウントからメッセージやスタンプが送られる演出もあってとても面白かった)の中で、この“オリオン座”が次回のシングルになることが発表された。次回のシングルは10月26日発売の“POSITIVE STRESS”のファンクラブ限定盤に収められている、“大森靖子弾語りDEMO集楽曲総選挙”の中の“オリオン座”“春の公園”“ARUKU”の3曲から投票によって選ばれることになっていたが、“オリオン座”が圧倒的な支持を得て選ばれた。個人的にもこの曲がデモのまま終わる未来は考えられなかったので、シングル化されることになってよかったと思う。

“少女漫画少年漫画”の後のMCでは、今日は1人でライブに来ている人もいると思うが、私は自分で見てきた景色や自分で選んで手に入れたCDや漫画とかで人格が作られていると思っていて、でもそれが共通する人があまりいなくて自分は「ジョーカー」っぽいと思って寂しかったけどその孤独は大事だと思っていること、自分の女の子に対する汚い愛情や、性別は2個や4個ではなく3億個位あってそれが日によって変わると思っている感覚が自分だけなのかなと思って寂しいと感じていたが、それが“さっちゃんのセクシーカレー”や“少女漫画少年漫画”という曲になっていること、最新アルバムのTOKYO BLACK HOLEでそういった昔のことを歌っているのは、東京に来てやっとそういうものが武器になったからだと気付いたことなどを話して、そのTOKYO BLACK HOLEから他のツアーではまだやっていない曲ということで“SHINPIN”を歌った。

アンコールのMCでは、北海道は大森さんのファンクラブの会員数が東京と大阪の次に多くとても楽しみにしていたのだが、本当に楽しかったと言ってお礼を述べてから、バンドメンバーを一人ずつ紹介して呼び込んだ。畠山さんは普段呼び込まれることがないとのことで歩き方がぎこちなくなってしまい、大森さんがピアノの発表会で緊張して手足が揃ってしまう男の子みたいだと言っていた。ベースのえらめぐみさんは、大森さんに隙があってエロい、エロめぐみだと言われていた。中野さんは滑り止めが付いていて叩きやすいというピンク色の五本指ソックスを足を上げて見せていた。バンドメンバーの紹介が終わると、大森さんがナナちゃんを連れて来て、「1、2、3、4、5、6、ナナー!今ヤれるアイドル!特技は処女膜再生ステッキを使って処女膜を再生することです!出身が札幌ということで、今日は凱旋ライブでーす!」と自己紹介をしてナナちゃんコールをした後、「お前もお前もお前もお前も…セッ◯スしてやろうか!」と聖飢魔Ⅱ風の盛り上げ方をしていた。最後に、皆の見ているこのバンドも自分でカッコいいと思っているが、それよりも自分が見ているこの景色の方が美しいと思っているので、ここに鏡を貼ってそれをそのまま音にして返したいという曲、ということで“マジックミラー”を歌ってこの日のライブは終了。

個人的にこの日のライブは畠山さんのギターがとても格好良いと思った。技術的なことは詳しくないので分からないのだが、出音が前回までよりも格段に良かった感じがした。その分あーちゃんさんのギターなどとの一体感は少し薄れたような気がしたが、個人的にこの日の畠山さんのギターは今までで一番痺れた。また、この日は全体的にもパフォーマンスが良くなっていた印象があり、特に本編最後の“音楽を捨てよ、そして音楽へ”では、大森さんが最前にいたしなもんさんの手を借りてフロアの柵へ飛び移り、観客に突っ込んでもみくちゃになっている姿も愛に溢れていたし、その時にステージで今までにない鬼気迫る演奏をしているバンドメンバーの姿も目を見張るものがあって、正に「眼球足んない」となる凄まじい光景が目の前で繰り広げられていて、見ていて思わず笑ってしまうほどだった。この日のライブを見た人の中には、今までの大森さんのライブで一番良かったと言っている人もいて、それも頷けるライブだったと思う。

また、MCで曲を削ったと言っていたが、キーボードのカメダタクさんがいた名古屋・仙台公演のセットリストと比較すると、大森さんのキーボード弾語りの“キラキラ”と“KITTY’S BLUES”、そしてアンコールの“少女3号”が削られていて、一方で“PINK”と“非国民的ヒーロー”(仙台公演では弾語りでやっていたが、その分“生kill the time 4 you、、♡”が削られていた)が追加されていたので、トータルでは1曲少なくなっていた。個人的には“少女3号”が削られたのが少し残念だったが、この札幌公演はそれを全く不満に感じさせないライブだった。

ライブ終了後、地元と遠征組の大森さんファン十数名で居酒屋に行って反省会をした。ファンクラブの会員数が東京、大阪に次いで多いというだけあって、大森さんへの愛に溢れた濃い人達ばかりで楽しかった。野暮なので詳しくは書かないが、特にカオスちゃんは最高だった。二次会ではジンギスカンを食べに行き、その後はまた居酒屋で朝まで過ごすという予想どおりのエンドレスな展開だった。解散後に一旦ホテルへ戻り、少し仮眠を取ってから新千歳空港へ向かい、飛行機で東京へ戻った。

北海道には今回食べられなかったグルメがまだたくさんあるし、地元の大森さんファンの皆さんにもお会いしたいので、ぜひまた訪れたいと思う(そしてカオスちゃんにはぜひまた盛大に奢ってほしいと思う)。

2016/10/23 大森靖子@TOKYO BLACK HOLE TOUR FUKUOKA● BEAT STATION

大森靖子さんの全国ツアー「TOKYO BLACK HOLE TOUR」6日目の岡山公演に続き、その翌日に行われた7日目の福岡公演を見てきた。

この日は自分と同じく岡山公演から福岡公演を回すかなりさんと午前10時過ぎに岡山駅で合流し、新幹線で博多駅へ向かった。博多では、アイドルのリリイベのイメージがあるキャナルシティ博多に行って、大森さんが2年前にライブをした場所で意識高いTを着て記念撮影をしたり、とんこつラーメンやスイーツを食べ歩いたりして過ごした。

youtu.be

そうこうしているうちに夕方近くになりライブの開場時間が近付いてきたので、会場であるBEAT STATIONへ向かった。開場時間である17時半の少し前に会場へ着くと、既に会場の建物を囲むように入場列ができていた。生誕コピバン祭以来にマツモトさんに会ったり、入場列に並びながらごっちんさん、ないろんさんとこれまでのツアーの話をしたりして開場を待った。

BEAT STATIONはキャパが400人と前日の岡山のCRAZYMAMA KINGDOMより小さいものの、天井が高く、ステージも高くてフロアとの距離がやや離れていたので、広々とした感じがあった。また、BEAT STATIONの建物は西鉄天神大牟田線西鉄福岡駅薬院駅を結ぶ高架下にあり、この日のライブ中もMCや弾語りの間に電車が上を通るとかすかにガタンゴトンという音が聞こえていた。この日は仙台公演の時と同じく開場から開演までの時間が30分と短めだったので、間もなく18時になってライブがスタートした。

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これ以降はセットリストを初めとしてツアーのネタバレになる内容が含まれているため、気になる方は読まないことをおすすめする。

この日のセットリストは以下のとおり。

PINK

ミッドナイト清純異性交遊

生kill the time 4 you、、♡

イミテーションガール

私は面白い絶対面白いたぶん

非国民的ヒーロー

ピンクメトセラ

絶対彼女

劇的JOY!ビフォーアフター

愛してる.com

子供じゃないもん17

オリオン座

給食当番制反対

少女漫画少年漫画

デートはやめよう

呪いは水色

さっちゃんのセクシーカレー

あまい

TOKYO BLACK HOLE

音楽を捨てよ、そして音楽へ

 

アンコール

少女3号

マジックミラー

 

この日も前日の岡山公演に続いてキーボードのカメダタクさんが不在で、一曲目は同じく“PINK”からスタートした。“ミッドナイト清純異性交遊”“生kill the time 4 you、、♡”まで通してやってからMCに入り、福岡には弾語りでは来たことがあるがバンドでは初めてで、弾語りではジッと見る感じだけど今日は踊れる曲をたくさん持ってきたので盛り上がってほしい、と言って“イミテーションガール”へ。

“非国民的ヒーロー”の後のMCでは、大森さんが「今日初めて来た人?」と質問すると、まずまずの数の人が手を挙げた。前日の岡山公演でも、同じ質問をした時に結構手を挙げている人がいたので、地方にも大森さんのことを知ってライブを見てみたいという人が着実に増えているのだと思った。そして「私とネットで絡んだことがある人?」と質問したところ、先ほどより多くの人が手を挙げて、「めっちゃいる!私どんだけネットやってるんだ(笑)」と言って、今手を挙げたのはきっと「学校でギャルが体育祭の練習をしない」とかいつもクソどうでもいいことを送ってきて、私が「頑張ってね~」と返している人達で、そんな皆がきっとボッチで来ていてこの狭い空間でプライベートゾーンを保ちつつ乗っているというすごい光景を見ているけど、今日はお互い会えたことを嬉しく思っている、という話をした。

“ピンクメトセラ”が終わると再びMCに入り、大森さんがスペシャルゲストとして佐賀県有明海ゆるキャラである有明ガタゴロウ(ガタちゃん)をステージに呼び込んだ。登場したガタちゃんは体長がゆうに2mはあり、大森さんと並ぶととても大きく感じた。ガタちゃんは口の奥深くにマイクを突っ込んで喋るスタイルで、「今日は大森さんが九州に来るということで、おもてなししなきゃと思って佐賀から来たガタ~」と挨拶した。ガタちゃんが自分はアイドルの寺嶋由芙さん(ゆっふぃー)とコラボしているゆるキャラユニット“ゆるっふぃ〜ず”のメンバーで、大森さんはそのゆっふぃーに歌詞(“ふへへへへへへへ大作戦”)を提供したことがあるという関係性を説明して、今日はそのお礼に来たと言い、大森さんが「義理ガタいね~」と応えていた。大森さんがこの日の“絶対彼女”のソロパートはガタちゃんに歌ってもらうと言って、「ガタちゃんは男?女?」と聞くと、ガタちゃんは「56歳のおっさん」と答えていた。大森さんが「じゃあおっさんパートも歌ってね」と言って“絶対彼女”をスタートした。

ガタちゃんは“絶対彼女”のサビの振り付けをノリノリで踊っていたが、肝心のソロパートを歌う時に無理な発声(?)が祟ったのか途中で声が出なくなってしまい、お客さんが一緒に歌ってあげてフォローしていた。曲が終わった後にガタちゃんは「ごめんガタ~」とかなりヘコんでいたが、お客さんが「大丈夫!」「うまかったよ!」「お疲れ!」と温かい声を掛けていた。ガタちゃんが退場したところで、お客さんから「ナナちゃんは(出番ないの)?」と声が上がり、すると大森さんがナナちゃんを連れて来て、「福岡の皆さんこんばんは~!1,2,3,4,5,6、ナナ~!今ヤれるアイドル、処女膜再生ステッキを持ったナナで~す!趣味はバンドのメンバー全員とヤってバンドをクラッシュさせることで~す!クラッシュさせたバンドは星の数~!最近はアイドルを解散させることにもハマってま~す!」と完璧な自己紹介を披露した。この件は全く予定になかったと思うので、ナナちゃん(?)のアドリブ力の高さに感心した。 

“少女漫画少年漫画”の後のMCでは、オススメされた漫画が合わなかった時の絶望が地味に残って心の穴になっているのを曲にできないかと思っていて、東京暮らしに慣れてから作ったアルバムであるTOKYO BLACK HOLEにはそういった学生時代の風景が多いこと、私の歌に「トイレ」という歌詞が多いと分析している人がいたが、便所飯という言葉がない時代に、高校で女子のハブルーレットをするのもされるのも嫌で、窓からの景色が良くて気に入っていたトイレの一番奥の個室に篭ってお弁当を食べていたことなどを話していた。また、大森さんの衣装も数多く手掛けている縷縷夢兎(るるむう)の東佳苗さんが福岡出身ということで、佳苗ちゃんと会う前は全身真っ黒の服装をしていてダサいと言われていたが、佳苗ちゃんと会ってから好きな服を着ようと思って着たら何も言われなくなったので、好きな服を着ていいんだと気付いたこと、佳苗ちゃんは中学から高校に上がる時に制服が可愛い学校にしたいがために3つランクを落としたり、中学の時にバレンタインで好きな塾の先生にネクタイをプレゼントしたりしていてオシャレだと思ったことなど、東さんに関するエピソードを話して、だから福岡の人はオシャレだというイメージがあって今日はオシャレな人に制圧されている感じがするけど縷縷夢兎の衣装だから何とか大丈夫かな、と言っていた。

アンコール明けのMCでは、福岡に初めて来た時はUTERO(ユーテロ)という真っ赤なライブハウスでライブをして、赤いな…!と思いながら“PINK”を歌ったら赤に負けてしまったので私の福岡での音楽人生は終わったと思ったけど、その時に来ていた人が今日も来てくれていて嬉しいし、新しい人が来てくれたのも嬉しくて、終わらせないで無理やり続けてよかったと思ったこと、私の見ているこの風景の方が私のライブよりも表現が豊かで素敵だと思っていて、それをそのまま映し出す音楽を作りたいと思って“マジックミラー”を書いたこと、福岡はガヤが少ないのでシャイな人が多いみたいだけど、私とネットでやり取りしたことがある人が今までで一番多かったのでネット弁慶が多いのだと思うが、“少女漫画少年漫画”に出てくる「ジョーカー」は「とても強くて」最強で、孤独は最強の武器だし、それを武器に進んでいける人達が今日は集まっているとライブをしていて感じたので、明日からもその強さを武器に頑張っていきましょう、と締めくくって“少女3号”と“マジックミラー”を歌い、この日のライブは終了。

この日のライブを見ながら考えていたのは、これまで本やブログ、ライブのMCなどを通じて、大森さんの覚悟のようなものはある程度理解していたつもりだったが、前日の岡山での反省会でまるおさんから洗脳ツアーでの大森さんの話を聞いて、大森さんはきっと自分の想像以上に色々なことを乗り越えて今このステージに立っていて、また自分には計り知れないほどの考えや思いを持って歌を届けようとしているのだろうということだった。大森さんはこの日の最後のMCでの“マジックミラー”の件でも、今日のライブが面白くないと思ったらそれは皆のせい、と冗談めかして言っていたが、前日の岡山公演はまさにお客さんの熱気がライブを作っていたと思うし、この日は僕自身先ほどのようなことを考えながら見ていて、照明を浴びて歌う大森さんがいつもより輝いて見えるような気がして胸が熱くなる瞬間が何度もあった。

ライブ終了後、あぁちゅさん(先日の長崎公演で大森さんと“I&YOU&I&YOU&I”を一緒に歌い、その翌日の大分公演の反省会で大森さんファンを次々と虜にした小倉のアイドル)に遭遇し、厚かましくも一緒に写真を撮ってもらったりした。あとは少しだけ他の人達と話をしてから会場を後にして福岡空港へ向かい、羽田行きの飛行機に乗って東京へ帰った。

7日目の福岡公演を終えてツアーは折り返したことになるが、前半は終わってみればあっという間で、毎回がとても印象深いものになった。後半も、かねがね会ってみたいと思っていた地方の大森さんファンの人と会うチャンスがあったり、こんなところでライブやるの…?と気になる会場があったり、このブログを書いている週に開催された実験室では、松山公演の後に大森さんとカラオケに行く企画が発表されたりと、色々と楽しみである。

2016/10/22 大森靖子@TOKYO BLACK HOLE TOUR OKAYAMA● CRAZYMAMA KINGDOM

大森靖子さんの全国ツアー「TOKYO BLACK HOLE TOUR」6日目の岡山公演と、その翌日に行われた7日目の福岡公演を見てきた。

岡山公演と福岡公演はバンド編成での公演だったが、8月に大森さんのLINE BLOGで新⚫️z(しんぶらっくほーるず)のメンバーが発表された時にアナウンスされていたとおり、この二日間はキーボードのカメダタクさんが不在だった。個人的には、それによって大森さんと新⚫️zが両公演の内容をどう変えてくるかが楽しみの一つだった。 

岡山公演の日は、昼過ぎの新幹線に乗って16時頃に岡山駅へ到着した。駅前のホテルにチェックインして荷物を置いてから、会場であるCRAZYMAMA KINGDOMへ歩いて向かった。会場が入っているビルに着くと、まるおさん、もりおさん、ろぼさん、みちさんと会った。ろぼさんはこの日が誕生日だったので、ライブが終わった後にでも何かお祝いをしたかったのだが、結局出来ず終いだった。警備員から入場の待機はビルの裏手にある公園でするようにとの指示があったので行くと、おおたけおさん、ないろんさん、かなりさんと遭遇した。全員整理番号が近かったので、入場列に並びながら色々と話をした。これまでライブやフェスには基本的に一人で行っていたので、大森さん現場ではこうして地方に遠征した時でも気軽に話せる知り合いがいてとても貴重だしありがたいと思う。

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この日のチケットの整理番号は30番台で、会場がやや大きかったのと開場時間に間に合わなかった人が多かったのか、余裕で2列目に行くことができた。CRAZYMAMA KINGDOMはキャパが650〜700人とまずまずの大きさだったが、天井がそこまで高くなく、ステージも低くてフロアとの距離が近かったので、2列目からだとステージがとても近くに感じ、小さなライブハウスにいるような感覚だった。隣合ったおおたけおさんとツアーの振り返りをしたりマニアックな津山観光の話を聞いたりしながら開演を待ち、18時になってライブがスタートした。

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これ以降はセットリストを初めとしてツアーのネタバレになる内容が含まれている可能性があるため、気になる方は読まないことをおすすめする。

この日のセットリストは以下のとおり。

PINK

ミッドナイト清純異性交遊

生kill the time 4 you、、♡

イミテーションガール

私は面白い絶対面白いたぶん

非国民的ヒーロー

ピンクメトセラ

絶対彼女

劇的JOY!ビフォーアフター

愛してる.com

子供じゃないもん17

オリオン座

給食当番制反対

Over The Party

魔法が使えないなら

呪いは水色

デートはやめよう

少女漫画少年漫画

さっちゃんのセクシーカレー

あまい

TOKYO BLACK HOLE

音楽を捨てよ、そして音楽へ

 

アンコール

少女3号

マジックミラー

 

この日の大森さんは一部編み込みをしたツインテールで、観客から「かわいい!」と声が上がっていた。これまでのバンド編成のライブでは、スタートは常に“ミッドナイト清純異性交遊”だったが、この日は“PINK”に変えてきた。2曲目が“ミッドナイト清純異性交遊”で、個人的な体感としては観客の歓声やオイオイコールがこれまでのツアーの中で一番大きく、大森さんもそれに触発されたのかケチャパートではフロアの方に身を乗り出して歌っていた。それでまた観客も前の方に押し寄せたりして、序盤からすごい熱気の盛り上がりだった。そのままの盛り上がりで次の“生kill the time 4 you、、♡”を歌い、歌い終わった後に大森さんがハイテンションで「心を揺らしていこう心を!あ、不謹慎(笑)」(※前日に鳥取で最大震度6弱地震があった)と言ったそばから、再度「心を揺らしてこうぜぇえ!!」と叫んで会場を煽り、観客も大きな歓声でそれに応えた。その後の“イミテーションガール”“私は面白い絶対面白い多分”“非国民ヒーロー”もこれまでにない盛り上がりを見せていた。 

その後のMCで大森さんが「今日いやなことあった人?」と質問し、観客の何人かの答えを聞いてから、ファッションのコンテストに落選したという女性を“絶対彼女”のソロパートに指名した。ソロパートは予定どおりその女性が歌ったのだが、その後のおっさんパートの時に女性の近くにいた男性がマイクを奪って(?)歌い始め、大森さん達も観客もビックリするという場面があった。この日のライブでは他にも曲中に独自の合いの手を入れている人や奇声(?)を発している人などもいて、岡山の人はCRAZYだ…と思った(褒めている)。 

“絶対彼女”の後のMCでは、大森さんは愛媛県出身なので、岡山はいつも新幹線の乗換で30分位滞在していたところだったが、ライブでは弾語りで一回来ただけで、バンド編成で来たのは初めてだと言っていた。観客の熱気のせいか会場が白く曇っていることに気が付いて、皆が見えないけど顔が崩れているからちょうどいいか、とか、まだ8曲だからあと…600曲?といった感じで、この日の大森さんは冗談が多めで、それに観客もいちいち反応して盛り上がっていた。バンドメンバーもテンションが上がっていたのか、ピエール中野さんがスネアドラムをドンドンドンドンと鳴らして煽ると、大森さんが「そのバンドがよくやるやつやめてよ(笑)」とツッコミを入れ、すると畠山さん達も乗っかってギターを掻き鳴らしたりして、大森さんが「皆が私をいじめる…私のライブなのに…」と拗ねていた。その後に中野さんが大森さんに「馴れてないだろこういうの、俺もやったことないけど(笑)」と言ったりしていて、バンドっぽい和気あいあいとしたMCが繰り広げられていた。

その後に大森さんが、私は皆さんの生活が好きで、それと対峙したくてメジャーに行って、ここまで歌いに来ているので、何でもTwitterのDMで送ってくださいという話をしていた。大森さんは今回のツアーのMCで、大部分は毎回内容を変えて話しているが、いくつか決まって話していることがあり、このDMを送ってほしいという話はその一つで、大森さんはこのツアーにおいて普段会えない全国の人達にそれらのメッセージを直接伝えることを一つの目的にしているのだと思っている。ちなみに、アンコールが終わった一番最後にも大森さんは生声で叫んで観客に向かってメッセージを送っているのだが、それは実際に会場に足を運んでライブを見た人が受け取るべき言葉だと思っているので、あえてこのブログには書かないようにしている。

また、ステージのセット(今年の八丈島の“大森靖子の夏休み”で増田ぴろよさんが製作した巨大な円形のパッチワーク)がパンツとブラジャーでできているような生活感のある私は、キラキラしたジャ〇ーズやA〇Bのようなアイドルみたいに日々のことを忘れて楽しむというよりは、死線ギリギリにいる人をちょっとだけ遠ざけられたらいいと思っている、そのちょっとの対価が5,000円(この日のライブのチケット代)で、その5,000円分頑張ろうと思うので、皆も生きる力を持って帰ってほしい、という話をして長めのMCを終え、“劇的JOY!ビフォーアフター”へ。 

“劇的JOY!ビフォーアフター”の次の“愛してる.com”では、大森さんが下手側の最前列にいたお客さんが持っていたウサギのパペットを借りて、それを手にはめて歌うという一幕があった。途中からナナちゃんも連れて来て、右手にウサギ、左手にナナちゃんを持って、お互いを戯れるように遊ばせたり、相撲の張り手みたいに交互に前に出したりしながら歌っていて、大森さん自身がとても楽しそうだったのが印象的だった。

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「うさぎのほうがナナよりにんきだった…」と落ち込むナナちゃん(勝手なイメージ)

 “オリオン座”では、大森さんが「合唱の時間で~す、男子ちゃんと歌ってくださ~い」と言って、観客が入場時に配られた“オリオン座”の歌詞のプリントを取り出す。この時にプリントが一斉にガサガサする感じも、学校の教室の空気を思い出させて不思議な気分になる。この日はカメダさんが不在でキーボードがなかったため、伴奏は大森さんのギターだった。ちょうどこの日の前日にYouTubeでライブ映像が公開された仙台公演では、最後の方に大森さんがフロアの方へマイクを向けたものの、歌った方がいいのか歌わない方がいいのかあやふやな感じのまま終わってしまっていたが、この岡山公演では観客が始めから終わりまでしっかりと歌っていた。歌の後半に差し掛かると、2列目から見る限りでも最前列や左右に涙を拭っている人が何人もいて、会場全体ではかなりの数の人が泣いていたのかもしれない。それを見て、盛り上がる時は盛り上がり、泣く時は泣く岡山の人達はアツいな…と思った。

“少女漫画少年漫画”の後のMCでは、皆が学校や職場、家庭で大森靖子をおすすめして人格否定されているのを見ていつも申し訳なく思っていること、私は「ジョーカー」かもしれないが「とても強い」と信じて一人でやってきたこと、3年位はお客さんが対バン相手だけだったこともあったが、自分は才能があると信じていた、自分は才能があると思い込む才能があったこと、まずは一人で始めてみる、一人は武器だということを話して、一人で弾語りを始めた時のライバルの歌ということで“さっちゃんのセクシーカレー”を歌った。

アンコールでは、大森さんはTOKYO PINK HOLE Tを着て登場した(Tシャツが皺くちゃだったのでヘコんでいた)。そして唐突に大森さんの1歳になった息子の㌧さんが一番笑うという、岩崎宏美のモノマネをするコロッケのモノマネを解禁すると言って、全力の顔モノマネを披露した。その顔はもはや描写不可能の面白さだったが、観客から爆笑と拍手が巻き起こっていた。大森さんが最後にこれだけ体を張ったのは、この日のライブがそれだけ盛り上がったという何よりの証だと思った。そしてこのモノマネは顔の筋肉を使うのでほうれい線にいいらしく、女子はやった方がいいと言っていて、そうやって努力をしてずっと少女の気持ちを持っていようという“少女3号”と“マジックミラー”を歌ってこの日のライブは終了。

ライブ終了後、まるおさん、ないろんさん、かなりさん、岡山在住のりっとぅんさんと反省会に行った(ないろんさんはその日のうちに福岡に移動する予定だったため、ほとんど話す時間が無かった)。お店の閉店時間まで色々な話をしたが、特にまるおさんから聞いた昨年の洗脳ツアーでの大森さんについての話が強く印象に残った。

2016/10/15 大森靖子@TOKYO BLACK HOLE TOUR SENDAI● MACANA

大森靖子さんの全国ツアー「TOKYO BLACK HOLE TOUR」4日目の名古屋公演に続き、その翌日に行われた5日目の仙台公演を見てきた。

前日の名古屋と同様、この日も観光はせずに美味しいものだけ食べようと思い、お昼過ぎに家を出て仙台へは15時台に着く新幹線で向かった。新幹線の車内でiPhoneのケーブルを忘れてしまったことに気が付いたので、まずApple仙台一番町に寄った。この時に対応してくれた女性店員さんがやたらとフレンドリーで、今日は大森靖子さんのライブを見に来たという話をしたところ、その店員さんは丁度大森さんが最新シングルの楽曲を提供した°C-uteのファンだったらしく、大森さんの名前を知っていた(あれってセイコって読むんですか?ヤスコだと思っていました…と言っていたが)。その店員さんはaikoさんのファンでもあり、大阪のライブを遠征して見に行く位の「ガチ勢」だと自分で言っていて、この人に大森さんのライブを見せたらハマらないかな…今日チケット余らせている人いないかな…と思ったところで止めた。

www.youtube.com

また、偶然にもこの日、AppleのCEOであるティム・クックがサプライズでこの店を訪問していたという話を聞いた。来店客とも気軽に写真を撮ったりしていたようで、そのまま大森さんの仙台公演を見てくれたら、その流れでApple製品のCM曲に採用されて一気に世界中で大ブレイク…というところまで妄想して止めた。

僕の接客をしてくれた店員さんも写っている。すごい。

ケーブルを購入し、店員さんが「ここは美味しい」と言っていた近くの牛タンのお店に行って遅めの昼食を食べてから、この日の会場であるMACANAへ向かった。

以前も一度載せたが再掲。

MACANAはキャパが200人か250人(サイトによって書いてある人数が違う)のライブハウスで、いずれにしても今回のツアーにおいてバンド編成でライブを行う会場としては最も小さいと思われる。恐らくそれもあってこの仙台公演のチケットは早々にソールドアウトしていた。僕は新宿LOFTで見る大森さんのバンド形態のライブがとても好きなので、この日もそんなライブハウスならではの熱量を感じられるライブになることを期待していた。

開場前の入場列を見ると知っている人はほとんどおらず、地元か東北のファンの人達が多いようだった。ようやくハイコーフェスの時に知り合った青森の大森さんファンの人やひでろーさんと会った時は何だかホッとした。この日のチケットは50番台で、入場後に中にあるロッカーに荷物を入れてフロアに降り、4列目の位置で開演を待った。フロアは地下に降りていったところにあるのだが、キレイで天井が高く、想像していた新宿LOFTのようなライブハウスというよりは渋谷WWWに近い雰囲気だった。

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バンド編成のライブでは開演前と終了後にBGMが流れているのだが、大森さん本人か大森さんをよく知る人によるチョイスと思われる曲ばかり流れるので、「あ、この曲はあの…!」といった感じで開演前から既に楽しい。名古屋公演は少し時間が押して始まったが、この日もやや開演時間を過ぎてからライブ開始。

ライブの演出内容については、セットリスト、LINE LIVEでも配信されていた秋田公演と同じ展開の“絶対彼女”、ライブ映像が公開された“オリオン座”以外は極力書かないようにしているが、気になる人はこれ以降読まないことをおすすめする。

この日のセットリストは以下のとおり。

ミッドナイト清純異性交遊

イミテーションガール

私は面白い絶対面白いたぶん

超新世代カステラスタンダードMAGICマジKISS

ピンクメトセラ

絶対彼女

劇的JOY!ビフォーアフター

愛してる.com

子供じゃないもん17

さっちゃんのセクシーカレー

オリオン座

給食当番制反対

少女漫画少年漫画

非国民的ヒーロー

Over The Party

キラキラ

KITTY’S BLUES

あまい

TOKYO BLACK HOLE

音楽を捨てよ、そして音楽へ

 

アンコール

少女3号

マジックミラー

 

セットリストは前日と数曲を除いて同じで、この日も“ミッドナイト清純異性交遊”からスタートし、“超新世代カステラスタンダードMAGICマジKISS”まで続けて演奏したところで、大森さんが今日はライブハウスなのでライブハウスでいこうぜと気合いを入れてきたので、皆さんもライブハウスで来てください!と煽りのMCを入れてから“ピンクメトセラ”へ。

“ピンクメトセラ”を歌い終わって、大森さんが恒例の“絶対彼女”のソロパートを募集しようとしたところで最前列に目が止まり、「今日はお前だな(笑)柵くぐっておいで」と言ってステージに呼び寄せた。ステージに上がったのは小学校低学年くらいの小さな女の子で、親と一緒に最前で見ていたのを大森さんが見つけたようだった。ところが大森さんが流れを丁寧にレクチャーするものの女の子はとても不安げで、恐らく見ているお客さんの多くが「大丈夫かな…」とハラハラしたまま演奏がスタートした。演奏中も女の子が親の方を見て「無理…!」とでも言いたげに首を横に振ったりしていて、こんなに気が気じゃない心境で“絶対彼女”を聴くのは初めてだと思いながら、いよいよソロパートに入った。すると、女の子が恐る恐る口をマイクに近づけて、小さい声だがちゃんと歌い始めた。その瞬間、会場全体が安堵した雰囲気に包まれて、しかも女の子の歌声が可愛らしくて皆ときめいてしまい、その歌声にフロアからは大きな歓声が上がった。その後、いつも通りに女子とおっさんに分かれて歌ったのだが、その間も女の子はマイクを持ってずっと歌っていて、おっさんコールにも参加していた。最後に全員で歌うところでは、初めのオドオドした様子はすっかりなくなって堂々と歌っていて、わずか一曲の間に女の子がみるみる成長していくようだった。この女の子が間違いなくこの日のMVPだったと言っていいと思う。また、女の子が歌っている間の大森さんがとても嬉しそうにニコニコと笑っていて、こんな笑顔を見るのは生誕コピバン祭りで観客からハッピーバースデーの歌を送った時以来だと思った。正直ライブが始まる前までは、前日にライブを見たばかりで、バンドだとセットリストもそれほど変わらないだろうということもあり、自分自身心の底から楽しめるのかやや不安があったのだが、この曲で起こった小さな奇跡のようなものを見て、大森さんは全力で一回一回を特別なライブにしようとしていて、常にこちらの予想を超えるものを見せてくれようとしているのだと感じて、とても感動した。曲中に大森さんがナナちゃんを持って来て、女の子に話しかけたり女の子と戯れたりする仕草をナナちゃんにさせる一幕もあって、それもとても微笑ましいシーンだった。

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務めを終えてぐったりするナナちゃん(勝手なイメージ)

“さっちゃんのセクシーカレー”を歌う前には、前日の名古屋公演でも少し触れていた、曲のモデルになった女性についての話などをしていた。名古屋でツイートNGが出ていたので念のため今回も詳しく書くのは控えるが、名古屋の時よりも丁寧にそのモデルになった女性のことや当時の大森さん自身の状況などについて話していて、また、そのエピソードが2週間ほど前に見た月刊「根本宗子」『夢と希望の先』(BiSのプー・ルイさんが終盤の重要な場面で“さっちゃんのセクシーカレー”を歌う)の内容と重なるものがあり、そのMCの後に聴く“さっちゃんのセクシーカレー”はとても胸に迫るものがあった。

次の“オリオン座”は、ちょうどこのブログを書いている時にYouTubeでこの仙台公演のライブ映像が公開された。

映像だとあまり聞こえないが、イントロで大森さんが「プリント出してー」とささやき声で呼びかけていて、その仕草がいたずらっぽくて可愛かった。これは入場時に一人一枚ずつ“オリオン座”の歌詞がプリントされた紙を配られて、この曲の時にそれを見ながら聴くという演出で、前日の名古演公演から始まったものだった。名古屋では歌詞が配られたことで開演前からこの曲をやることは分かっていたのだが、それを弾語りでやるのかバンドの演奏でやるのか気になっていたところ、蓋を開けてみると演奏はカメダタクさんのキーボードのみで、他のバンドメンバー全員がコーラスをするという予想外の演出だった。大森さんが曲を書くときから意識していたのかは分からないが、大人数で歌うと学校の合唱曲のように聞こえるので、聴いていると懐かしい感覚を呼び起こされてジーンとする。映像には“絶対彼女”で大人達を感動させる頑張りを見せたあの女の子も映っていて、あの場にいた人達にとってはまた特別な映像になっているのも心憎い。 

“少女漫画少年漫画”の後のMCでは、最新アルバムのTOKYO BLACK HOLEには自分が描きたいと思った学校の風景などをきっかけにした曲が多いこと、大学の時は友達が全然いなくて声を発することもなく、声を発したいがために警備員の人に挨拶していたくらいで、あとはライブで叫んでバランスを取っていたこと、その時に神聖かまってちゃんをよく聴いていて、“学校に行きたくない”を学校に行きたくないと思いながら聴いていたことなどを話して、そんな神聖かまってちゃんのの子くんと作った新曲ということで“非国民的ヒーロー”を歌った。

“キラキラ”を歌い終わった後には大森さんのギターの師匠(名前を言っていなかったが、出さない方がいいかもしれないので書かないでおく)の話をしていて、その師匠がヤ◯マ◯を分かれば曲を書ける、ヤ◯マ◯のブルースは本物だ、と言っていたらしく、そんなヤ◯マ◯の歌ということで“KITTY’S BLUES”を歌った。

アンコール明けで、仙台は恐らく単独でバンド編成のライブをするのは初めてだということ、やっぱり雪の中で生き抜いているだけあってお客さんが元気だということを話してから、大森さんが“絶対彼女”を歌った女の子にナナちゃんピックをプレゼントした。すると女の子が大森さんに手紙を書いてきていたらしく封筒を手渡して、大森さんがそれをとても喜んでいたので、それでまた会場全体がほっこりした雰囲気になった。そしてこの日はメガネ率が高かったらしく、“TOKYO BLACK HOLE”の「はたらくおっさんでぼくの世界がキラキラ」の歌詞のように照明でメガネがめっちゃキラキラしていたと言って爆笑していた。最後に、今日を楽しみに仕事とかを頑張ってくれた方もいると思うが、私も今日皆さんに会えるのを本当に楽しみにしていて、またこれからも仙台にはたくさん遊びに来ます、今日はありがとうございました、出し切って帰りましょう、と締めくくって“少女3号”と“マジックミラー”を歌い、この日のライブは終了。

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ライブ終了後、まるさん、ひでろーさんと少し談笑してから会場を後にして、この日チケットを譲ってくれる人が見つかったということで急遽来ていたしなもんさんと終電の新幹線の車内で反省会をしながら東京へ帰った。東京に着いた後、そのまま勢いでしなもんさんと新宿歌舞伎町で行われていたChim↑Pom主催のイベント『また明日も観てくれるかな?~So see you again tomorrow, too? ~』を見に行き、たまたま来ていた肉野菜さんやひとみさんとも合流して結局朝まで一睡もせずに過ごした。

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先ほどの“オリオン座”のライブ映像に続いて、ちょうどこのブログを書いている時に10月28日に行われるこのChim↑Pom主催のイベントの2日目に大森さんが出演することが発表された。何だかここ最近そんな偶然が続くので、残りのツアーもまた色々と起こりそうで楽しみである。

2016/10/14 大森靖子@TOKYO BLACK HOLE TOUR NAGOYA● CLUB QUATTRO

大森靖子さんの全国ツアー「TOKYO BLACK HOLE TOUR」4日目の名古屋公演を見てきた。

これまでの秋田、長崎、大分は全て弾語り公演で、4日目の名古屋が今回のツアーで初のバンド編成でのライブとなる。大森さんは8月のブログで今回の全国ツアーを機に新たなバンドを結成することを発表しており、そのバンドの名称とメンバー構成は以下のとおり(大森さんのLINE BLOGより転載)。

 

TOKYO BLACK HOLEツアーバンド

新⚫️z(しんぶらっくほーるず)

ギター あーちゃん(きのこ帝国)、畠山KJ(H Mountains)

ベース えらめぐみ(股下89)

キーボード カメダタク(オワリカラ)※福岡、岡山は不在です

ハイパー サクライケンタ

ドラム ピエール中野

 

夏フェスまでのバンドと同じメンバーはギターの畠山さんとドラムのピエール中野さんのみ。また、以前のバンドメンバーは全員男性だったが、今回はきのこ帝国のギターのあーちゃんさんと股下89などのベースのえらめぐみさんという女性2人が新たに加わった。また、オワリカラのキーボードのカメダタクさんは大森靖子&THEピンクトカレフ以来のカムバック。そしてMaison book girlなどのプロデュースを手掛け、ずんね from JC-WCの“14才のおしえて”や、“SHINPIN”“ピンクメトセラ”など大森さんとのコワークも多いサクライケンタさんが謎の“ハイパー”担当として加入した。

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このバンドメンバーを発表した時のブログに“シンゴジラ”というワードが出てきていたのだが、この日見た新⚫️zのライブはまさに“シンゴジラ”だった。大森さんがゴジラのように暴れ回っているという意味ではなく(曲によってはそんな感じの時もあるが)、ライブのいたるところにネタ(演出)が用意されていて、見終わった後は見た者同士で話して盛り上がりたくなるし、まだライブを見ていない人にはぜひそのネタを知らないまま見てほしい、というもので、いっそのことライブの内容をツイート禁止にしたらそれもまた話題性があって面白いのではと思ったりした。したがって、ここではなるべくネタバレにならないようにMCの内容などのみを書こうと思うので、肝心のライブの内容についてはぜひツアーに足を運んで直接その目で見て確かめてほしいと思う。

名古屋公演の日は平日(金曜)だったが、会社はこのライブのために大分前から有休を取っていた。ただ、この日は早く行って観光する気分でもなかったので、名古屋へは16時半頃に到着する新幹線で向かった。名古屋駅からこの日の会場であるCLUB QUATTROまでは地下鉄で行った方が早いのだが、18時の開場まではまだ時間もあったので名古屋の街を散歩がてら歩いて向かうことにした。

CLUB QUATTROが入っている名古屋パルコが見えてきたところで、この風景前にも見たことあるな…と思ったら、2014年1月18日に原爆BiS階段(the原爆オナニーズ×非常階段×BiS)のライブが同じ会場であったのを思い出した。この時は確か土曜日だったが会社の出勤日で、仕事終わりに新幹線に飛び乗って見に行ったのを覚えている。

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18時前に名古屋パルコ東館の8階にあるCLUB QUATTROに着くと、既に整理番号順の列が出来ており、知り合いの大森さんファン何人かと会った。これまでの秋田、長崎、大分と比べると、平日ということもあり遠征組はずっと少ない印象だった。間も無くして入場が開始。

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この日は30番台とまずまずの良番だったので、入場後素早く荷物をロッカーにしまってフロアへ。3列目の位置でかなりさん、えっちゃんさんとこれまでのツアーでの出来事やこの日のステージのセッティングなどについてあれこれ話しながら開演を待った。

この日のセットリストは以下のとおり(これすらもネタバレといえるので、気になる方はこれ以降読まないことをおすすめする)。

ミッドナイト清純異性交遊

生kill the time 4 you、、♡

イミテーションガール

私は面白い絶対面白いたぶん

超新世代カステラスタンダードMAGICマジKISS

ピンクメトセラ

絶対彼女

劇的JOY!ビフォーアフター

愛してる.com

子供じゃないもん17

さっちゃんのセクシーカレー

オリオン座

給食当番制反対

少女漫画少年漫画

君と映画

キラキラ

KITTY’S BLUES

あまい

TOKYO BLACK HOLE

音楽を捨てよ、そして音楽へ

 

アンコール

少女3号

マジックミラー

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ライブは“ミッドナイト清純異性交遊”からスタートし、“超新世代カステラスタンダードMAGICマジKISS”までほぼぶっ通しでやってからMCへ。大森さんが名古屋は洗脳ツアー以来1年半ぶりで、当時はお腹に子供がいたが、今日はいくらでも動けるので皆と全力で楽しみたい、と話したところで、足元に付けていたリボンが解けていることに気付く。すると、フロアの方に近付いてリボンが解けた方の足をフロアの柵の上に乗せ、最前のお客さんにリボンを結ばせていた(知っている人だったがプライベートなことをイジられていたので名前は伏せておく)。

“ピンクメトセラ”が終わったところで、ツアー初日の秋田と同様に“絶対彼女”のソロを歌ってくれる人を募集したところ、予想外に多くの人が手を挙げた(前の方にいたのでちゃんと確認できていないが、10~20人位?)。そのため急遽じゃんけん大会を行い、最後まで勝ち残った女性が歌うことになった。女性にはオリジナルのナナちゃんピックがプレゼントされた。そして、大森さんがこの日エゴサーチをして見つけたツイートで、「お姉ちゃんと大森靖子のライブ行くんだけど何この客層…」と書かれていたらしく、自分で見ても自分が好きな女の子と若くても老けて見えるおっさんがいるのすごいもんね、最高!と言って、それを活かした曲ということで“絶対彼女”を歌い始めた。女性のソロパートでは周りのお客さんがアドリブで女性に向かってケチャをするなど、和気あいあいとした雰囲気で楽しかった。

“子供じゃないもん17”の後のMCでは、この曲はジョージ朝倉さんの「ハートを打ちのめせ!」の登場人物がモデルになっていて、同じくジョージ朝倉さんの「溺れるナイフ」が原作となった映画で自分の曲がカバーされているという話をしていた。そして次の“さっちゃんのセクシーカレー”についてもモデルになった女性の話をしていた(畠山さんからツイートNGが出たので詳しく書くのは控える)。

“少女漫画少年漫画”を歌い終わった後、これは少女漫画も少年漫画も好きで読んでいるけど、どちらにも自分がいる気がしない、入れないという曲とのことで、自分自身はジェンダー的な迷いはないが、日によって男になれたり女になれたりしたらいいのにとか、道重さんになれたら最高なのに、という話をして、毎朝目が覚めると大森靖子で残念だと思う、でもそんな私が書いた曲がこんなにたくさんの人に届いてとても嬉しい、今日は来てくれてありがとうございます、と観客にお礼を述べていた。そして、私もただの人なので、愚痴とかをDMで送ってほしい、1時間に〇通ぐらい届くのでタイムラインみたいに流れていくのだが、なるべく全部読んでいるので、と言って、皆とこういう距離感でいたいという曲、ということで“君と映画”を歌った。

本編最後の“音楽を捨てよ、そして音楽へ”で印象的だったのは、ギターを弾いているあーちゃんさんの目に光るものが見えたような気がしたことだった。この曲での大森さんはもはや神々しさすら感じるので、あーちゃんさんもそれを見てこみ上げるものがあったのかは定かでないが、そのあーちゃんさんの表情と、熱い思いをぶつけるように激しくギターを弾く姿を見てグッとくるものがあったのは確かだった。個人的に新⚫️zで目を引くのはそのあーちゃんさんで、以前のバンドでは直枝政広さん(カーネーション)や小森清貴さん(壊れかけのテープレコーダーズ、ex大森靖子&THEピンクトカレフ)が務めていた上手側のポジションでのギターを担っている。以前のバンドでは、ギターは直江さんと畠山さん、あるいは小森さんと畠山さんという組み合わせだったが、いずれも良くも悪くも二人がバラバラに弾いている印象があったのに対して、畠山さんとあーちゃんさんは何となく二人で一組というか、あーちゃんさんがよく下手側(畠山さんやえらさんがいる方)を見ながらギターを弾いているところや、長髪を振り乱しながら畠山さんと同じ様に激しくギターを弾いているところを見ると、時には畠山さんとあーちゃんさんがお互い共鳴し合って音を鳴らしているようにも感じるし、時にはお互い張り合うようにギターバトルをしているようにも感じて、注目して見ているととても面白い。ライブ中はつい大森さんに目が行きがちだが、新⚫️zのメンバーのパフォーマンスにも目を配ってみると色々と気付くことがある。

アンコールのMCでは、名古屋は11月30日にもElectric Lady Landで女王蜂との対バンがあるので、今日この曲が良かったと書いてくれたらやります、と言っていた。また、愛媛県出身なのによく愛知県出身と間違えられるので、今日から愛知県出身にします、と宣言し、今日は地元のライブとっても楽しかったです!と締めくくって観客の笑いと拍手喝采を起こしてから、“少女3号”“マジックミラー”を歌ってこの日のライブは終了。

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ライブ終了後、仕事から駆けつけて見に来ていたおおたけおさんと会い、短い時間だったが見たばかりのライブの感想を熱く語り合った。新幹線の終電まであまり時間が無かったので、他の人達とはろくに話ができないまま離脱して名古屋駅へ向かい、新幹線のホームで急いできしめんを食べた。後は新幹線に乗って東京へ帰るだけ、というところで思いもよらぬ出来事が起こり、こんなこともあるのかと思った。

今回の全国ツアーでは初のバンド編成でのライブだったが、今年の夏フェスでのバンドのライブとは全く別物だった。何より印象的だったのは、以前のエントリーでロッキンでのライブをドラクエでいう「ガンガンいこうぜ」のような感じと例えたのだが、それくらい夏フェスでの大森靖子バンドは攻撃的で戦闘モードだった。それに対して新⚫️zのライブは「とことん楽しもうぜ」(ドラクエにそんなものはないが)という感じで、とにかく大森さんやバンドメンバー自身がとても楽しそうにライブをしていた。そして、ライブの随所に散りばめられたネタも相まって、見ているこちらもとても楽しめるエンターテイメントに仕上がっていた。

もちろんバンドメンバーが変わったことによる変化も大きく、先ほどのあーちゃんさん以外にも、サクライケンタさんは確かに“ハイパー”担当という表現がピッタリのマルチぶりだったことや、女性が2人加わったことによってビジュアルの印象も変わったことなど挙げるときりがないが、色々な発見や驚きがあって初見のバンドのライブを見ているような新鮮な感覚だった。ぜひ一人でも多くの人にこの大森靖子バンドの最新型である新⚫️zのライブを目撃し、体験してほしいと思う。